自己決定権と経済的事由への侵害か
こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
本日は朝から4時間(!)に及ぶ参院選に向けた各党政策演説会にオンライン参加、その後はマニフェストのファインチューニングに勤しむ日曜日となりました。
ブログでは都政の話題をば。
小池知事・東京都が目論む新築一戸建てへの太陽光発言パネル義務化。条例制定に向けてパブリックコメントがスタートしました。
経済学者の飯田泰之さんが強く反対の論陣を張っており、私もまったく同感だったのでご紹介をしつつ見解を述べたいと思います。
おい,小池!!(全文公開版)
https://note.com/iida_yasuyuki/n/n34412aed1cfc
なんという直球なタイトル…!飯田泰之さんは
①義務化による経済負担の問題
②税の再分配における問題
③自己決定や経済的自由の毀損問題
の大きく3点からこの施策に強く反対しています。
①はわかりやすく、太陽光パネルが設置されれば初期コストが増えます。太陽光発電によって10年でペイできるという説はあっても、あくまでそれは個別の環境に依拠すること。
反射等の問題でご近所トラブルに発展するかもしれないし、様々な事情で数年で建て替えをすることになればさらに撤去や再設置にコストがかかることになります。
②はもう一歩深い問題です。①は財政的に豊かな東京都が補助金を大盤振る舞いすることで、コスト面に関しては少なくとも個人負担はゼロにできるかもしれません。しかし、それは新たな問題を発生させます。
税を投入するということは、何らかの「再分配」が起きるということです。
個人負担ゼロで太陽光パネルが設置可能になるとすれば、都民から集めた税金が戸建てを立てる人に分配されます。
では、東京都で一戸建てを建てる人というのはどういう方でしょうか。一般的には、経済的にゆとりがある人である可能性が極めて高いでしょう。
つまり、本来的に再分配される層ではないところに税が分配されてしまう逆流現象を飯田泰之氏は問題視しているわけですね。
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以上の2点が解消されたとしても、なお飯田泰之氏は本施策には反対だと述べます。
その理由が③の自己決定権・経済的自由を毀損する点です。これは行政施策で公共施設に太陽光パネルを設置促進するのとは次元の違う問題をはらみます。
>自身の財産を何に使い,何に使わないのかを自己決定できることは自由主義経済の基本です.今次の設置義務化はこの経済的な自由をあまりにも軽く見ている.東京都の,場合によっては全日本の家屋に太陽光パネルが設置されても世界的なCO2排出量に与える影響はわずかなものでしょう.これが国民の(都民の)経済的自由を束縛するほどの大きな社会的意義のあることだとはとても思われない.
と飯田氏がストレートに述べていることに、私も賛成です。
氏は続けてコロナ対策の文脈においても、薄弱な根拠で飲食店の経営の自由が侵害されてきた点、それを少なからぬ国民・都民が支持してきてしまった経緯を述べ、今回の施策はそれと地続きではないかと指摘しています。
「なんとなく良いこと」のために、少しずつ個人の自由や自己決定権が奪われているというのは、実は本当に恐ろしいことなのです。
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今後の都議会においても、本条例案に対する議論が進んでいくことになるかと思いますが、東京都はパブリックコメントを募集しています。
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)の改正について(中間のまとめ)へのご意見をお寄せください
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/basic/conference/council/public_comment/public_comment_jourei.html
それは良いのだけど、このパブコメもメールやFAXによるものは受け付けずに「郵送のみ」ってどういうことなのよ…。
あえて件数を減らしたいようにしか見えませんが、このやり方もいかがなものなんでしょうかね。
郵送というのは極めてハードルが高いですが、ぜひ多くの都民の声を届けてみてください。維新としては松田りゅうすけ都議が、反対の立場から論戦に挑みます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年5月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。