サル痘にWHOが緊急事態宣言

WHO(世界保健機関)は、23日サル痘について緊急事態宣言を発した。2020年1月に新型コロナウイルス感染症に対する宣言を出して以来の緊急事態宣言だ。アフリカ諸国内にとどまっていたものが、世界的な広がりを見せたための措置だ。

サル痘ウィルス アメリカCDC サイトより

コロナ感染症に対しては、2年半も経っているのに、いまさらといったレベルの対応しか出ていないような信じがたい状況だ。今日はコロナ陽性患者は20万人を超えたと報道されていたが、メディアを含めてどうしようもない馬鹿ばっかりだ。検査も十分にできていないのだから実態はもっと多く、抗原検査で陽性でも静かにしている人、無症状者も含めれば、50万人越えでも不思議ではない状況だ。

検査も完全にできず、実態を把握できないなら、こんな制度をやめて、無駄な人的資源の使い方をせず、症状が重篤な人にだけに焦点を当て十分な対応をするように方針を変えればいい。これまでにかかった人、ある程度の免疫を持っている人(特に細胞免疫を持っている人)を含めて、このペースで広がれば、近いうちに集団免疫ができて、収まってくるだろう。お盆前後にピークアウトするような気がする。

サル痘に対する備えとそれに必要な人的な資源を考える必要もある。こんな難しい状況を経験した、あるいは、学習した専門家はいない。日本の科学を総動員した、本当に先を見据えた体制作りが急がれる。天然痘ワクチンをしていない50歳未満などはリスクが高いと言われているが、免疫そのものが衰えてきている高齢者が無事だとは言えまい。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2022年7月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。