教育現場に対する政治への「過度な公平性意識」

教育現場は政治家を授業に呼べない、政治家も行きづらいというジレンマ

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

今日は毎度おなじみの「高校生未来会議」の政党別プレゼンとトークセッションに参加してきました。維新は最近、ほぼ毎回わたしなのでそろそろ飽きられているのではなかろうか…?

トークセッションでは、当選したばかりの参政党・神谷宗幣議員ともコラボ。リアルで会うのは久しぶりでしたが相変わらず弁舌さわやかで高校生にも大人気、これは率直に脅威だなあと改めて感じた次第です。

urbancow/iStock

午後のトークセッションのテーマは「若者の政治参加・投票率向上を促すためには」ということで、

・メディアの役割
・教育改革
・政治家や政党自身の発信力強化

などがテーマにあがりました。高校生からは

「もっと政治家が学校にきて、私たちと話す機会を作って欲しい」

という声が複数あがり、私もこれは強く同感です。というか、今の教育現場に対する政治への「過度な公平性意識」は深刻な課題だと思っています。

参院選前も、ある公立高校が菅義偉・前総理を授業に呼んだところ、「自民党だけ呼ぶのはおかしい」「政治的中立が保てない」など批判の声が殺到し、中止に追い込まれたという事件がありました。

いま、日本には政党要件を満たした公党が10党あります。教育現場は公平に…ということで全党に声をかけてアポイントを調整し、授業を実施する。そのような労力をかけられる学校が、どれだけ存在するでしょうか。

せめて年単位や3年単位で、まあだいたい1回ずつ各政党から呼んで話を聞けばいいよねとか、それくらいに意識を緩和しない限り、教員も学校経営者も現役政治家を授業に呼ぶことは怖くてできないでしょう。

実際にわたしも、都議会議員時代に地元高校の一コマの授業に個人的なツテで呼んでもらって講義したところ、後日に「他党も呼ぶべき」とクレームが入ったそうです…

クレームを入れる側と、クレームに応じざるをえない教育現場、双方の意識を変えていく必要があります。

主権者教育が熱心なドイツでは、有名な「ドイツ政治教育三原則」にもとづきながら、積極的に政治家の招へいも含めた政治教育を学校現場で行っているそうです。

『ボイステルバッハ・コンセンサス(ドイツ政治教育三原則)』
① 教師の意見が、生徒の判断を圧倒してはならない。
② 政治的論争のある話題は、論争のあるものとして扱う。
③ 自分の関心・利害に基づいた政治参加能力を獲得させる。

日本もこうした原則・ガイドラインをなんらか定めた上で、積極的に政治家たちを学校現場・授業に招くことができる仕組みを構築するべきではないでしょうか。

特定政党の支持や反対をする政治教育を禁じる教育基本法14条が厳格でそれを許さないのであれば、法改正も視野に検討することも考えられます。

一朝一夕に解決する課題ではありませんが、こうした点も引き続き超党派で取り組んでまいります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年7月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。