モリカケよりひどい:統一教会との「接点」批判

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宗教法人法に基づく解散命令を統一教会に対し発動しても、実際に行われることは宗教法人格の剥奪に過ぎず、任意団体として統一教会は存続するから同教会による霊感商法や政界工作の危険性は消滅しない。

旧統一教会「解散命令」を 立民・安住国対委員長
立憲民主党の安住淳国対委員長は14日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐり、宗教法人法に基づき解散命令を請求するよう政府に求める考えを示した。「宗教法人…

統一教会が存続する以上、野党が非難する統一教会との接点問題は解消されない。統一教会を暴力団などの反社会的勢力と同一視し、反社対策を統一教会に適用し接点問題を解消すべきだという声が強いが反社対策とはあくまで反社会的勢力を営利団体と評価し経済的利益の提供を禁止することである。だから営利ではなく教義の実践を目的とする宗教団体に反社対策を適用しても意味がない。これについては既に書いた。

反社対策でカルト宗教はなくならない
反社会的勢力とは専ら暴力団(暴力団対策法第2条第2号)を指す。 「桜を見る会」の際に野党によって引用された反社会的勢力の定義「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」にある「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求す...

とするとやはり「結社の自由」という話になる。統一教会という結社を禁止する。統一教会への参加を禁止する。「統一教会の構成員」という事実を犯罪化する。

これは接点問題のシンプルな対策だ。統一教会の信者数は宗教学者によると2万人前後と推測されており統一教会の結社を禁止することは万人単位の人間を逮捕し刑罰に課す覚悟が求める。

今やすっかり「強大な力を持つ宗教団体」、統一教会問題の実像を探る(島田 裕巳) @gendai_biz
時代が変わり、国際化が進むなかで、そうした共同体の役割を担う集団の力が衰え、そこに属する個人との関係も大きく変わった。私たちのほとんどは、かつての村社会にあたるような共同体との関係を取り結んではいない。その分、個人として、社会と、さらには国際社会と対峙するしかない。そうなると、どうしても自分の無力さを強く意識し、依然と...

刑罰といっても罰金や執行猶予では接点対策にならない。実刑を課し信者を社会から隔離しなければ意味がない。

もっとも実刑を課し社会から隔離したとしても刑期満了となり出所した場合、どうするのか。信者が教義を捨てない限り統一教会は再結社される可能性があるから刑期満了後も信者をなんらかの施設に収容する必要がある。出所後の施設収容については精神医療行政の知識が役に立ちそうだ。日本は心神喪失者等医療観察法に基づき殺人、放火等を行った心神喪失者・心神耗弱者で不起訴処分や無罪が確定した者を強制入院することを認めている。

心神喪失者等医療観察法
心神喪失者等医療観察法について紹介しています。

これは予防拘禁に他ならない。あまり知られていないが日本は予防拘禁を認めている国なのだ。

日本国憲法は公共の福祉に反する権利の行使を禁止しており、これを目いっぱいカルト信奉者が青ざめるほど拡大解釈すれば「統一教会の構成員」という事実を持って彼らを逮捕・収監し、刑期満了後も施設収容できるかもしれない。

過激な措置と思う方もいるだろうが統一教会を民主主義上の問題と評価するならば思考停止すべきではない。ウクライナを見よ。ウクライナは自らの民主主義を守るために数カ月で万単位のロシア人を死傷させているのではないか。これに比べれば控えめだろう。一応、言っておくが筆者は明白な憲法違反と考える。

話を戻すが統一教会の接点問題を解消したければ「統一教会の構成員の全員逮捕・生涯隔離」は効果が期待でき接点問題のかなりの部分が解決できると思われる。注意してほしいのはあくまで解決できるのは「かなりの部分」であり全部ではない。

相手が宗教団体である限り理論上「団体未加入の信者」も存在する。人は宗教団体に所属して信仰を持つのではなく信仰を持って宗教団体に所属するのである。

団体への所属の有無は信仰とは無関係である。「原理講論」などの教義がある限り統一教会信者は消滅しない。「統一教会未加入の統一教会信者」が霊感商法や政界工作に従事しないという保証は何もない。

「統一教会未加入の統一教会信者」の存在を否定できない限り接点問題は解消されない。彼らの存在を野党・左派マスコミは意識しているとは思えないし、補足する手段も筆者は思いつかない。こう考えると統一教会との接点を断つなど無理な話だし、無理なことを要求する野党・左派マスコミによる接点批判の異常性はモリカケをはるかに超える。