【更新】激増した「超過死亡」の原因は何か

昨年12月までの超過死亡数が出たので更新。10月28日の動画が今ごろYouTubeに削除され、1週間の動画アップロード停止になったのでVimeoで再掲します(データは更新)。

昨年の死亡数は、2021年より約13万人増えた。そのうち超過死亡数は約10万人と推定される。この動画は、昨年3月と8月に超過死亡が激増した時期に、ワクチン接種も増えていた相関関係を指摘したものだ。これについては厚労省も含めて、相関を否定する人はいない。

超過死亡増加の考えられる原因

問題はその原因である。昨年の超過死亡数は約10万人だったが、昨年はインフルエンザも少なく、コロナ以外に超過死亡の原因は考えられない。したがって超過死亡のほとんどは直接・間接のコロナ死だったという推論は成り立つ。

ところがコロナ陽性だった死者は3万9000人。残り6万人の超過死亡は、コロナ陰性(あるいは未検査)の死者だった。これをどう解釈するかが問題である。

2021年のデルタ株以前に比べて、オミクロン株は致死率が下がったのに対して感染率が激増した。死者が増えたのはその結果である。死者の平均年齢は85歳で基礎疾患をもっており、コロナ肺炎の死者はほとんどいなかった。

だから死者が増えた原因は、基礎疾患の悪化を誘発するコロナ感染が増えたためと考えることができるが、問題はオミクロンの感染が激増したのはなぜかということだ。この動画でも言ったように、論理的には次の3つが考えられる。

  1. ウイルスの変異などの免疫要因
  2. 医療の逼迫(緊急搬送など)
  3. ワクチン追加接種の影響

1はオミクロンの変異(遺伝的な要因)で感染力(ウイルスが他人に感染する確率)が上がったというものだ。これは陽性者が増えた事実から統計的には明らかだが、医学的な根拠は不明だ。デルタ株まで世界的にも感染率の低かった日本人が、なぜオミクロン株に弱くなったのか。

一つの仮説としては、ファクターXがきかなくなったことが考えられる。その実態は不明だが、日本人に固有のヒト白血球抗原(HLA)が、デルタ株からはきかなくなったという説もある。図のように2020年にマイナスだった日本の超過死亡率は2022年には先進国の平均程度になっており、単なる平均への回帰が起こったと考えることもできる。

一般論として、ウイルスは変異を重ねると感染力が強まって致死率は下がり、免疫を回避する傾向がある。コロナウイルスは変異が速いので、その生物学的メカニズムで説明できる可能性はあるが、今のところ説得的な証拠はない。

2は厚労省の公式の説明だが、仮説としては棄却してよい。この動画でも言ったように、病床利用率も人工呼吸器の実施率も少なく、緊急搬送の逼迫(4回以上のたらい回し)は増えたが、それによる死亡率は5%以下である。

ワクチンのリスクはメリットより小さいがゼロではない

消去法で考えると、3は否定できない。上の図のようにワクチンの第3回・4回接種とほぼ同時期に感染が増えたことは事実で、ワクチン接種が一時的に免疫機能を弱めた可能性がある(第5回では相関は崩れている)。

このような仮説は小島勢二氏などの専門家が提起しており、統計的には棄却されていない。政府の公式統計では、ワクチン接種の直後に死亡した症例は約1900件だが、国が死亡一時金を支給したのは20件にとどまる。因果関係は、まだはっきりしない。

ChatGPTに「コロナのワクチン接種で何人が死亡しましたか?」と質問した答は、次の通りである。

各国の保健当局や世界保健機関(WHO)は、ワクチンの安全性を確保するために積極的に監視・報告システムを構築しており、ワクチン接種後の副作用情報が公表されています。これらの報告に基づくと、ワクチン接種後の死亡例も報告されています

ただし、死亡例の報告数は国や地域によって異なり、また、死亡がワクチン接種に直接関連しているかどうかを確定するためには、詳細な検証が必要です。したがって、ワクチン接種による死亡例の正確な数は把握されていません。

ただし、世界保健機関(WHO)や各国の保健当局は、ワクチン接種の利益がリスクを上回るという科学的根拠に基づき、ワクチン接種を推奨しています。ワクチン接種に関する個別の疑問や不安については、専門家に相談することをお勧めします。

これは私の動画のメッセージと同じである。ワクチン接種のメリット(年齢層や基礎疾患で異なる)は、全体としてはリスクを上回るが、それはワクチン接種のリスクがゼロであることを意味しない。グーグルよりチャットGPTのほうが賢明である。

このような科学的な問題について、あたかも神の立場から異端審問を行うようなグーグルの検閲は、人類を中世に引き戻すものだ。政府はこのような行為を規制し、少なくとも削除した理由の説明責任を負わせるべきだ。