83%の台湾国民は自国を守り抜く意志あり
米国のマイク・ミニハン大将は中国の台湾への侵攻は2025年という予測をした。仮に同年それが起きなくても2030年までにそれが実行されることは間違いないであろう。
3月7日付けスペイン紙「エル・パイス」は、台湾の中央社CNAによる昨年10月の世論調査で、83.3%の国民がウクライナ紛争から学んだことは「自国は自らが守らねばならないという教訓を受けたことだ」と報じた。
さらに同紙は、ドローン操縦の専門家としてウクライナの海兵隊のメンバーに加わってハリコフの前線で8か月戦っていた35歳の台湾人兵士リー氏が「中国との戦争は必ず起きる。あと2-3年先になるであろう」と指摘したことも報じた。同氏によると、戦争の経験を積むために数人の同国人が銃をもって加わったという。そのひとりは昨年11月に戦死したそうだ。
リー氏は台湾の防衛は十分ではなく、NATOのような存在が必要だと述べ、台湾軍は米国軍と日本軍(自衛隊)と密着した行動を取り、更なる武器と、もっと軍事演習を積んで異なった言語の軍隊の間で連携していけるようにすることが大事だ、と同紙に述べた。
「74%の日本人は自衛隊が台湾の為に戦うことに反対」と台湾では思われている
リー氏は、日本の自衛隊が積極的に参加することを期待しているようだ。ところが、昨年11月16日付の「航空万能論GF」は、台湾が中国に攻撃されても日本人の74%は自衛隊が米軍と一緒に中国軍と戦うことに反対しているという内容を米国のVoice of Americaが明らかにしたことを台湾のメディアが同月13日付で報じたというのである。
筆者は非常に残念であるが、このパーセンテージは的を得ていると感じている。その理由は、今年1月15日付で筆者の記事を掲載してもらったが(「国の為に戦う」と答えた日本人は僅か13%:崩壊が約束された日本)、18歳以上を対象にした調査で「国の為に戦う」と答えた日本人は僅か13%しかいなかったのである。このパーセンテージは調査の対象にされた国の中で最も低いパーセンテージだったのである。自国を守る意識の薄い日本人が台湾有事に積極的に支援する可能性はないであろう。寧ろ、中国からそそのかされて、それに反対を表明する日本人が多く出るように思われる。
しかも、中国と北朝鮮から「日本に核をぶち込むぞ」脅されたら、多くの日本人は台湾防衛に躊躇するはずである。今の多くの平和ボケで国を守る意識に欠ける日本人であれば台湾を容易に見捨てる可能性さえある。
しかも、米軍が台湾支援に積極的に動くようになれば、米国のF15、B1、B2は沖縄から台湾上空に向かうはずである。そこには中国本土を空爆する可能性もある。そうなれば中国は必然的に沖縄にスホーイ27で空爆するか、ミサイルを撃ち込んで来るのは必至となる。そうなれば、日本は戦争に巻き込まれることになる。平和ボケの多くの日本国民がそれに耐えて行けるであろうか?
台湾有事は日本の存亡を意味するようになる
しかし、日本の国民が知らねばならないことは、台湾が中国の支配下にされば、フィリピンから日本列島を通過して沿海州に至る第一列島線が中国の支配下になるということだ。そうなると、日本は原油の輸入ルートを始め、すべての海上交通に支障を来すようになる。これは韓国も同様の運命を歩むことになる。
即ち、中国が台湾に侵攻を開始すれば、それは必然的に日本の将来の存亡を約束することになるということだ。
自民党の各議員は自らの選挙地盤で台湾支援賛成か反対かの影響を受けて党の団結が乱れる可能性もある。無能政党であるとはいえ、自民党が過半数の議席を維持して米国との安全保障を守れる政治体制を維持できることが重要だ。
日米豪印のクアッドがNATOのような役目は期待できないが、少なくともオーストラリアは台湾有事には米国への支援を積極的に行うはずだ。インドからはどこまで期待できるか今のところ未定である。