こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
>性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の要件について、最高裁判所大法廷は「意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として憲法に違反して無効だと判断しました。
>法律の規定を最高裁が憲法違反と判断するのは戦後12例目で、国会は法律の見直しを迫られることになります。
(※上記記事より抜粋、強調筆者)
いわゆるトランスジェンダーの方が性別変更をする要件について、最高裁で重大な判決が下されました。
最高裁で法令違反の判決が出たことは、立法府の一員として、そして立法府を構成する公党として重く受け止め、尊重しなければなりません。
今まで「生殖不能要件」があったことで、トランスジェンダー当事者は
・本人が性別変更する前の性に応じた扱いを甘受するか
・心身ともに極めて負担の大きい手術を受けるか
という過酷な2択を迫られてきたことは事実です。
本人の意思に反して生殖機能を失わせるという要件・運用は、もはや身体に対する重大な権利侵害であり、時代に即さない条文であると裁判官は判断しました。
裁判官が全員一致で生殖不能要件を違憲としたことは、まずは妥当なものであっただろうと考えます。
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一方で今回の決定は、生殖機能をなくす要件についてのみ「違憲」と判断し「変更後の性別の性器に近似する外観をそなえる手術」を求める要件(外観要件)については判断せず、高裁に差し戻したものです。
外観要件について判断しなかったことは、昨今の社会情勢や議論に配慮した面もあったのかもしれません。
例えば非常に強く懸念されている男女別の「銭湯」については、外観で区別するように厚労省から通達も出ており、今回の判決によってただちに
「女湯に男性器をつけた自称女性が入ってくるようになる」
ということにはなりません。
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いずれにしても、トランスジェンダー当事者など困難な思いをしてきた人々を前提とした多様性ある社会に、我が国はまだ残念ながら至っていません。
「性別変更には生殖不能手術まで必要とすべきでない」
とする最高裁判決を尊重し、身体的特徴による出生時の性別で様々な物事を切り分けきた社会の慣行において、今後どのような見直しが必要になるのかという議論・検討を真摯に始めていくべきでしょう。
まずは性同一性障害特例法の改正が急務であり、日本維新の会としても、外観要件に対する司法判断を注視しながら、ダイバーシティ推進局を中心に議論を進めてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2023年10月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。