移民国家と民主主義のジレンマを日本人は何も知らない

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2023年12月8日に発売になる私の新作書籍『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも指摘していますが、 移民に関する議論で日本に欠けている点として、児童保護、婚姻、生殖に関することがあります。

移民を送り出す国の中には、婚前交渉・姦通・不倫などをやった場合、やった女性に硫酸をぶちまけて体を溶かして殺害したり、放火して焼き殺したり、石で殴り殺したりする地域があります。

こういった行為は親族がやる場合が多いのですが、これを先進国ででやります。

彼らはそのような価値観ですから、当然のように、日本の「堕落した」露出の高い服装、漫画やアニメの性的な部分・飲酒・繁華街・婚前交渉・不倫などを許容しないどころかそれらに憎悪を抱き攻撃の対象とします。

価値観がちがうので議論は不可能です。

これらの移民は先進国からの人は少なく、経済的・政治的に破綻した国から来る人が主になります。このため、このような中世的な価値観を持った人が多数含まれることになります。

これらの国ではリベラルな人々は裕福なため、移住しなかったりします。

移民が大量となる結果、日本ではコミケ開催の形態が激変したり、風俗業が地下に潜るようになったり、出版やテレビが自主規制を厳しくやるようになったりする可能性があるということです。

民主主義や表現の自由が浸透していない中世の感覚の地域から人が大量に来るということは、民主主義国家の中に全く異なる価値観を抱えることになります。

しかし、受け入れ側の国は民主主義なため、彼らの価値観も尊重しなければならないのです。

これが現在北米や欧州が直面する「民主主義のジレンマ」です。

民主主義では表現の自由があるので、地元のリベラルな価値観に反対する考え方の外国人の意見も尊重しなければならない。表現の自由があるので、表立って批判することができないのです。それが海外の価値観であってもです。

例えば、男女別学を要求する外国人がいたら、その意見を聞かなければならない。過激派の集会やデモも認めなければならない。

何をもって違法か、反社会的かとするのは難しいからです。ですから、北米や欧州では、なぜか特定宗教の過激派の集会が行われていたりします。

ところが、地元の価値観と相反する考え方の人が過半数になったり数が増えた場合、その考え方が優先することになります。

なぜなら、それが民主主義だからです。

例えば、グラビア雑誌を本屋に並べるのは不道徳だからすべて禁止すべきだ、という価値観の人が増えた場合は、その人らの意見が優先されます。

日本でもシンガポールのように週刊誌や漫画のグラビアページやお色気記事が切り取られ、中国のように「進撃の巨人」が出版できないことになります。

この民主主義のジレンマの意味を大多数の日本人はまだ理解していません。

しかし、コミケが今までの様に開催できなくなり、靖国神社が破壊されたり、女性の名誉殺人が起きたりするようになってやっと気がつくのです。

日本人は自らの過去の楽観さや甘さを恨むようになるでしょう。