裏金問題で、どうして議員・政治家本人を立件できないのか?

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

本日、維新の会にも「政治改革実行本部」が正式に立ち上がり、私は総合調整と取りまとめを行う事務局長を拝命しました。

本日はそのキックオフ会議として、地方議員を含む特別党員たちから忌憚なく意見を伺う会を実施。吉村洋文共同代表・改革本部代表代行も出席し、90分超に渡って様々な提案を受け取りました。

改善ではなくあくまで「改革」、そして何より、いうだけではなく実際に「実行」していくこと。

まずは改革案の取りまとめに向けて、急ピッチで意見集約を行っていきます。

さて、週末からしきりに「検察が派閥幹部ら自民議員の立件を断念」というリーク報道がなされています。

そもそも、誰がしかが意図を持って流しているリーク情報で世論が左右される今の状況はとても良くないと思うのですが…読売新聞などが「立件せず」報道の中心になり、朝日新聞は沈黙しているあたり、なお続く暗闘の気配を感じます。

というのはさておき。

なぜ議員本人の立件が難しいかといえば、現行の法律がそういうザル法になっているからです。責任逃れがしやすいように、故意的に議員たちがそういう法律を作っているからです。

政治資金については厳格に収支報告をしなければならないわけですが、それを規定する2つの法律「政治資金規正法」でも「政党助成法」でも、その責任主体としての主語は「会計責任者」になっています
(政治資金規正法第12条1項、政党助成法17条)

ちなみに政治資金規正法では「会計責任者」という単語が出てくる回数は78回、政党助成法では59回で、いずれも議員本人が務める「代表」という単語の頻出頻度の倍以上となっています。

何が何でも、秘書・事務方=会計責任者に責任を一義的に負わせるのだという強い意志を法律全体から感じるところです。

そして議員本人=代表が処罰を受けるのは、収支報告書の不提出・不記載・虚偽記入について、代表者は、会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠った場合にのみという法律構成になっています。
(政治資金規正法第25条・政党助成法44条2項)

それゆえ、検察は政治家・議員本人が「相当な注意を怠った」つまり共謀したという明確な・強い証拠がない限り法廷で闘うことが極めて難しい法律になっていることは、少なくとも現時点では残念ながら事実です。

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とはいえ、私としては状況証拠だけでも司法判断を仰ぎ、法廷にまで持ち込む=立件することは可能だし、そうするべきだと感じます。

玉木雄一郎・国民民主党代表が述べている見解に私も同意です。

一方で、このような立件ハードルを意図的に上げるようなザル法については、法改正を可及的速やかに行う必要があります

ここについては、少なくとも野党は全党で合意できる項目かと思いますので、早急かつ強く提言していきたいと考えています。

その他にもパーティーのあり方、制作活動費のあり方など論点は多岐に渡ります。

自民党には出せない改革案を完成させることができるよう、事務局として力を尽くし、また適宜みなさまにも報告を行ってまいります。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2024年1月16日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。