震災で実感する日本の豊かさ

谷本 真由美

今年の新年は日本で迎えましたが、久々のお正月料理に舌鼓を打ち家族やご近所の方々と昼から飲んでいました。

能登半島地震の被害のようす NHKより

2023年12月8日に発売された私の新作書籍世界の『ニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、災害時には日本と海外の違いというのがはっきりわかるのです。

第一に日本では地震や台風があることが当たり前なので災害対応が大変迅速なのですが他の国ではこれは全くありえないことです。

そもそも日本に比べると、災害の準備というものが全くない国だらけです。

日本のように地震の数十分以内に政府が対策本部を立ち上げることができると言うのもあり得ません。

2番目に日本では自衛隊が災害対策に大変なノウハウを持っており、迅速に対応ができることです。

軍隊が被災者に対してすぐにお風呂を用意できるような軍隊と言うのは非常に珍しいのです。またお年寄りや子供でも食べられるような食事をすぐに提供できると言うのも大変なスキルです。他の国の軍隊と言うのは、戦闘に対応するための組織ですから、日本ほど災害に対応していなかったりします。

3番目に災害があっても、暴動や略奪が起きないと言うのも非常に日本的です。

他の先進国は非常に格差が大きく治安が良くありませんから、このような災害が起きた途端に街は略奪だらけになります。アメリカのように銃が世の中に出回っている国もありますし、欧州の場合は刃物を持っている犯罪者もいます。こういった災害は略奪に最適な機会となります。

日本がどれだけ豊かで安全な国かと言うことを実感することになるわけです。

4点目に、日本では学校や自治体の避難所に避難ができるのが幸福だということです。

他の先進国では不特定多数が集まるような避難所に行く事はリスクが高すぎるので、自宅や車の中で我慢して過ごします。自費でホテルに行く人も多いのです。人が多様であるので、どんな人が避難所にやってくるのか分かりません。

また普段から人種対立、宗教による対立があるので不特定多数の人が集まると、食事や生活習慣の違いで衝突になるのが目に見えています。母国では内部での宗教や武力対立がある国の人々が避難所で一緒になってしまう場合もあります。カーストが違うものとは同じ避難所で過ごしたくないという人々もいます。普段学校や職場でも揉めているわけで、災害なら悪化するのが目に見えています。

また地域社会は崩壊しているところが多いので、助け合いも期待できません。

日本では、震災対策や復興に関して文句を言う人だらけでありますが、他の国に比べるとどれだけ豊かであり、恵まれているかということを理解するべきではないかと思います。