大谷翔平投手のスキャンダルと送金

ドジャース大谷翔平投手の通訳である水原一平氏が自身のギャンブル依存により大谷投手の金を使い込んだ件が大ニュースになっています。

まだこの事件の詳細は不明ですが、日本人があまり注目していない点がいくつかあります。

2023年12月8日に発売された私の新作書籍私の新作書籍『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、海外は様々な事情が日本と異なるために、こういったニュースに関して日本人と海外の人では注目する部分が異なります。

まずAP通信によれば水原と賭博の胴元であるマシュー・ボウヤーを内国歳入庁(IRS)が調査している点です。内国歳入庁(IRS)は連邦政府機関で、日本の国税庁に当たります。

大谷選手と水原通訳 2019年 Wikipediaより

水原はボウヤーに対して6億8000万円を大谷の口座から送金したようですが、これが本当に水原が大谷選手の口座を操作して送金したものかどうかは今のところわかりません。

このニュースを聞いて、海外と取引している人や、海外在住者がピンとくることがあります。

一体どうやって送金したかです。

アメリカの金融機関の本人確認の厳しさと送金規制の厳しさは日本とはレベルが違う。日本の銀行は高齢者のオレオレ詐欺被害の防止にばかり力をかけているが他の国は違うのだ。

先進国の場合はとにかく銀行が気を使うのが預金者の資金がマネーロンダリング(資金洗浄)や違法なビジネス、テロ行為に使われるかどうかです。

これは各国の政府の方針に沿っている。違法な金を使った反社会的行為が多いということの裏返しなのです。

そのため各国ではそもそも銀行に入れる資金の手元のチェックが大変厳しのです。

ある程度の金額を銀行に入れたい場合は商取引の証拠や給料明細などを提示しなければならないこともあります。

これはなぜかというとドラッグの売買や売春、武器の取引、人身売買などで得た金や汚職が蔓延している国から持ち込んだ資金を入れる連中がいるからというのが理由です。

日本はこの辺のチェックが大変ゆるい。他の国はそうではない。つまりそれだけ犯罪が多いということの裏返しなのです。

これはケースバイケースなどで全員に対してというわけではありません。各金融機関には独自の判定基準やマニュアルがあったりするので、どういう場合だとチェックが厳しくなるかは一般公開はされていません。熟練した担当者が直感で見抜くことも少なくないのです。

さらに胡散臭い預金者はすぐに口座を閉鎖してしまったりします。

資金の送金にも大変厳しく、例えば200万円程度の屋根修理の費用を工務店に送金する際も請求書や領収書などを提示し銀行側が細かくチェックすることも全く珍しありません。これはアメリカだけではなくイギリスや欧州大陸の方でも似ています。

また金額が大きいとオンラインで送金できない場合も少なくないのです。電話で依頼したり窓口まで行って頼まなければならないことも少なくないのです。

日本はこの辺のチェックが非常にずさんなので送金が簡単にできる印象でしょうが、他の国は違います。

このような個人の少額資金の送金でもチェックがかなり厳しいのにもかかわらず、6億8000万円もの大金をどうやって送金できたのか。

富裕層の場合は貧乏な一般民と異なり富裕層向けの特別な窓口があったり担当者がついていますが、その場合も送金に際してはもちろんチェックがあります。

胡散臭い賭博の胴元に対して領収書も請求書もないのに巨額の資金を送金した、しかも本人ではなくただの通訳でありアシスタントやである人間が代理でできるのかどうか。

銀行側は違法なビジネスやテロ行為などへの加担を嫌うのでチェックは大変厳しいはずです。私は金融機関関連のビジネスにも関わったことがあるので疑問を感じています。

特にロシアの戦争が始まってからこういったチェックが大変厳しくなっています。

15年ほど前からアメリカは資金洗浄やテロ資金へのチェックを相当厳しくしており、海外の金融機関に対しても顧客の個人情報のチェックや背景の確認などを要求しているのです。

各銀行は対応に大変な能力と資金をかけています。