2024年のゴールディウィークがガラガラだった理由の仮説を立てました

今年のGWはGWとも思えないほどガラガラでした

GW中は房総にてサーフィンと仕事をしていましたが海は普段の土曜より空いており、平日よりは少し混んでるかな程度でガラガラ。

5/5には静岡までイベントで車を走らせましたが・・・・

日本道路公団の予測

行きは渋滞皆無
帰りは土曜くらいの混雑

で、渋滞30キロなど影も形もなく・・・・

日経でも記事になりました。

GWの旅客数、コロナ前届かず 円安・物価高で節約意識

全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は旅客数が国内・国際線ともに23年を上回ったが、コロナ前の18年比には及ばなかった。JR旅客6社の新幹線・在来線特急などの利用者数も同様だ。

都内の近場だけ混雑があったようです。

いろんな理由があると思うのですが、このオーバーツーリズムどころか、アンダーツーリズムは本当にヤバい。

どうしてこんなことになったのか、私が仮説を立ててみました。

インバウンドが来られなかった

もちろん来てはいますが、明らかに少なかったように思います。まだ速報がでていませんが、3月の訪⽇外客数は、3,081,600人となり、前年同月比では69.5%増、2019 年同月比では11.6%増とかなり好調だったはず。

しかし、ゴールディウィークとなると日本国内の人出が予想されるため、国内線や電車の予約がしにくく、日本旅行を諦めた。日本に来て東京だけに滞在するとかあまりないですもんね。あと、日本人がコロナ前には至らずとも海外に出たので航空便のチケットが騰がり、席もとりにくかったということがあったかも。

この仮説で重要なのは「混雑しているように見える観光地はインバウンドのおかげ」であり、インバウンドが来ないとスカスカになってしまうということです。

日経説「物価高も消費者の観光意欲をそいだ」

実は国内旅行が多かったのかというとそうでもなく、

日本旅行の国内旅行の予約者数は23年比3割減少。同社の担当者は「インバウンド(訪日外国人)の集中による観光地の混雑や繁忙期の宿泊価格の高騰を避けて、GWに旅行を控える人もいたのでは」と分析する。エイチ・アイ・エス(HIS)のGWの国内旅行予約者数(3月25日時点)も前年比2割減った。

国内旅行も昨年より2〜3割減ったとのこと。せいぜい日帰りで行ける範囲でしか出かけなかった。

わたしがいつも言っていることだが

景気はマインド

ということである。

コロナの時に1人10万円撒いたがほとんどが貯蓄された。全く経済には関係なし。出かけない、お金を使わない高齢者の貯蓄はこんなに増えた。

もともと高齢者はお金を使わない。消費税を無くそうが、金をばらまこうが、将来に対しての不安が大きければ現役はお金を使わず貯蓄に回す。客に言えば減税しなくても、カネなんて配らなくてもマインドが上がれば消費する。これが永江理論です。

では現役のマインドを上げるにはどうしたら良いのか。ココ↓に書いてあります。

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いまはグローバル企業以外の賃金が上がらず、一番現金を持っている中小零細も将来が不安なので現金のままで保有している。これから円安の影響がどんどん出てきてインフレはさらに進むのに今の段階で消費していられないのである。

今回のゴールデンウイークの日本人がお金を使わなかった最大理由はまあ、コレでしょう。このまま円安は続くだろうし、インフレはさらに来る。社会保険料は上がる、政治に明るい展望はないではお金の使いようがないのです。

少子化で子供が激減。高齢者はわざわざ休日にでかけない

高齢者は毎日が休日だからわざわざ混雑するであろう連休にでかける必要がない。孫でもいればでかけるかもしれないが、小さな子供が激減しているのです。

出生数、過去最少75万人=8年連続減、少子化加速鮮明に―23年人口動態統計速報・厚労省

小さな子供がいれば連休でも「どこか連れてって」とせがまれればでかける。しかしこの激減っぷりでは小さな子供のいる家庭も激減しているのです。

また、コロナで帰省する習慣がなくなった。帰省なんて面倒くさいだけであるからわざわざ完全復活させるしたくないという人も多いだろう・同様に運動部の合宿も激減しているそうです。

有給休暇が取りやすい社会になった?

中小零細は別としてそこそこの大企業なら有給休暇は労働者の権利として普通に取れるようになってきたし、そうでない会社からは離脱が多くなって人を確保できない。

となると、わざわざ混雑している連休に出かける必要がない。つまりは連休自体が段々と無意味になってきているともいえる。

こうした企業や自治体が増えるとそもそも日本人が連休に合わせて一斉に休むという習慣も消失してくるわけです・・・・

で、この仮説というか事例で確定的に言えることは

日本はもう内需の国ではなくなりつつある
インバウンドや移民が頼みの綱

ってことです。国内経済はインバウンドがいないともう回らない。インバウンドの消費は2023年に初の5兆円超となったが、今年は円安もあって10兆円くらいいくのではないかという勢いです。日本の国内消費は300兆円くらいなのでまだまだ少ない。インバウンドがいまの3倍で年間1億人になってやっと国内消費が1割増えるくらいだ。

で、1億人というとだいたいフランスを訪れる観光客だ。フランスの人口は日本の半分なので、日本なら2億人のインバウンドが来る感じである。つまり

いまの4倍のインバウンドが来てやっと観光立国

という感じです。オーバーツーリズムとか、外国人観光客ウザいとかいってる場合じゃない。製造業が海外に移転してしまってサービス業になってしまった日本が経済成長するにはこんなところで満足していてはならないわけであります。


観光大国フランス ―ゆとりとバカンスの仕組み― 単行本(ソフトカバー)

自民党のアホ女子連も、バカ観光に行くんじゃなくてフランスがどうやって世界中から観光客を集めるようになったか、少しくらいは勉強したらどうなんだ。こんなん現地に行かなくても本を10冊くらい読んでフランスの政府観光局に問い合わせて資料貰ったら今日からでもできるだろ。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2024年5月8日の記事より転載させていただきました。