高市早苗さんの「旧姓で不動産登記できる」にコミュニティノートの嵐

自民党総裁選で、どうでもいい問題が盛り上がっています。夫婦別姓でも公文書で旧姓が使えるかどうかです。

これを言い出したのは高市早苗さんで、出馬の記者会見で「小泉進次郎さんは旧姓で不動産登記ができないと言ったが、今年度から使えるようになった」と反撃しました。

産経もこれを受け売り。

ところが間違いは高市さんのほうでした。旧姓には法的根拠がないので、それだけで不動産登記はできません。

コミュニティノートがたくさんついて読みにくいのですが、要するに旧姓が使えるのではなく、旧姓併記できるだけなのです。たとえば高市さんの夫は「高市(山本)拓」と旧姓を併記できるだけ。そんな表記をしたい人が何人いるんでしょうか。

高市さんは総務相だったとき、旧姓併記できるように1142本もの法律を改正したそうです。事務方のみなさんは大変だったと思います。

これは無益なだけでなく、有害です。名前の同一性がなくなると、法的な本人認証ができなくなるからです。高市さんは一応、経済安全保障担当相なんだから、IDの重要性を知ってるでしょう。

夫婦別姓反対派は「日本の伝統」という論拠が崩れ、「家族バラバラになる」という話も崩れ、「旧姓が公文書で使える」という話も嘘だとわかりました。もうそろそろ降参して、法制審の答申どおり閣議決定してはどうでしょうか。