自民党総裁選で、どうでもいい問題が盛り上がっています。夫婦別姓でも公文書で旧姓が使えるかどうかです。
これを言い出したのは高市早苗さんで、出馬の記者会見で「小泉進次郎さんは旧姓で不動産登記ができないと言ったが、今年度から使えるようになった」と反撃しました。
【サナエあれば、憂いなし。】
先日の出馬会見で小泉進次郎氏は「旧姓では不動産登記ができない」と述べましたが、本日の出馬会見で高市早苗氏は「旧姓でも不動産登記はできる」と小泉氏の間違いを指摘。「旧姓の通称使用の拡大」を目指す高市氏の政策に、弊誌も賛成です!明日、2冊同時発売! pic.twitter.com/2fDiVHVrw9
— 月刊『Hanada』編集部 (@HANADA_asuka) September 9, 2024
産経もこれを受け売り。
高市早苗氏、選択的夫婦別姓で小泉進次郎氏に反論「不動産登記できる」解雇規制緩和も反対https://t.co/Rhxc7WvK7s
「選択的夫婦別氏制度を実現すると言う候補予定者に『(旧姓で)不動産登記ができない』と答えた人がいたが、4月から不動産登記は旧姓でできる」と指摘した。
— 産経ニュース (@Sankei_news) September 9, 2024
ところが間違いは高市さんのほうでした。旧姓には法的根拠がないので、それだけで不動産登記はできません。
https://t.co/dCFNhAXW1q
小泉候補が正しい
現在、旧氏で不動産登記できないですよ
高市さん、法律改正を理解していないか、意図的に旧姓併記と混同させている
法務省民二第553号⇒https://t.co/kIIqmTcVsL
恐ろしく要約すると⇓ pic.twitter.com/2lJi3n1CNL— js (@js08082009) September 9, 2024
このネトウヨも高市と同じ事実誤認。コミュニティノートの通り、旧姓併記ができるようになっただけで、旧姓だけではできない。 https://t.co/v60JzrgFRG
— 池田信夫 (@ikedanob) September 11, 2024
コミュニティノートがたくさんついて読みにくいのですが、要するに旧姓が使えるのではなく、旧姓併記できるだけなのです。たとえば高市さんの夫は「高市(山本)拓」と旧姓を併記できるだけ。そんな表記をしたい人が何人いるんでしょうか。
こういう不毛な議論が続くのは、日本会議が「夫婦同姓が日本の伝統だ」と嘘をついたから。
それが嘘とわかってからも、高市氏のような右派議員が「旧姓も使えるので問題ない」と問題をすりかえた。
パスポートも免許証も不動産登記も、旧姓併記を認めただけ。旧姓だけでは使えない。— 池田信夫 (@ikedanob) September 11, 2024
高市さんは総務相だったとき、旧姓併記できるように1142本もの法律を改正したそうです。事務方のみなさんは大変だったと思います。
これは無益なだけでなく、有害です。名前の同一性がなくなると、法的な本人認証ができなくなるからです。高市さんは一応、経済安全保障担当相なんだから、IDの重要性を知ってるでしょう。
通称使用の拡大は国として複数の姓を公証することに近く、犯罪の誘発も含めて、法的に望ましい状況ではありません。
夫婦別姓を選択できない国は世界で日本だけであり、国として複数の姓を公証するような制度運用の議論をしている国も日本だけです。 https://t.co/QSqwHfuTqa— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) September 10, 2024
出鱈目!
併記しかできん。マイナンバーが実名なのに、旧姓で登記できたら脱税し放題だわ! https://t.co/gqD7Naolzy
— 【永江の新垢】データ解析好きのWeb系コンサルタント兼マーケッター (@IssekiNagae) September 11, 2024
夫婦別姓反対派は「日本の伝統」という論拠が崩れ、「家族バラバラになる」という話も崩れ、「旧姓が公文書で使える」という話も嘘だとわかりました。もうそろそろ降参して、法制審の答申どおり閣議決定してはどうでしょうか。