努力がムダに終わる人、結果を出す人の違い

黒坂岳央です。

持ち時間すべてを使って努力をした結果、残念ながらすべての人が報われるわけではない。結果を出す人、出せない人はどうしても出てくる。

有名な言葉に「質の伴った努力を継続すれば報われる可能性が高い」というものがある。これをシンプルに式にすれば努力は「質×量」ということになる。つまり、量をこなして成果が出ない人は「質」に問題を抱えている。厳密には時代のタイミングなども変数に入ってくるが、あくまで主要因はこの2つで説明がついてしまう。

「努力が結果に繋がらない人」は努力の質が悪いのだ。

DNY59/iStock

ゴールを考慮しているか?

成果に繋がらない努力をやりがちな人を見ていると、ゴールを全然考慮されていないことがほとんどである。

たとえば「人生をよくするため」と漠然とした願望のためになんとなく資格試験の勉強をしたり、美容医療をしたりする。でも元々何をやりたいのかゴールを定めていないので、はじめた努力を正確に評価することができない。

努力を投下するには資金なり、時間といったリソースを先行投資する必要があるため、この効果測定時に「リターンが投下資本に見合わない」と感じてしまうと努力の継続ができず、継続できないから結果を出せないという負のスパイラルに陥る。

本来、なにか挑戦をするときにはゴールを非常に明確にする方が良い。なんとなくやっておいた方がいいから、という気持ちで人気の資格試験の勉強をするのではなくもっと明確にするのだ。

「収入を増やし、人生の選択肢を得るための手段として転職をしたい。転職にあたりこの資格は市場価値が高く、概ね年収は相場でこのくらいもらえる。なら今から1年間かけて取得することができればリターンは大きい。そして1年間で働きながら合格を目指すのは十分現実的な公算だ」。

このぐらい具体的に見積もることができれば、自信を持って走り出すことができ、その努力がズレることはなく継続が可能だ。

一番は何でもゴールから逆算する思考を習慣化することだ。ゴールから逆算すれば、何のためにやっているかわからなくなったというやる前から回避可能な失敗は避けられるだろう。

持続可能性を担保する

努力は長期継続が前提となるため、実践する前に「この努力は持続可能か?」ということを冷静に考えて、事前に環境整備をすることが肝要だ。

たとえば収入アップをして転職のために資格取得を考える人が、現職の仕事をしながら頑張るとする。その場合、資格取得に使う勉強時間の確保が必須となるだろう。しかし、毎日残業続きで上司のパワハラがひどくてストレスまみれ。食事も栄養不足で睡眠もろくにとれない。このような環境では誰がやっても長期で勉強を継続することは現実的に難しいので、まずは勉強を無理なく継続できる環境整備を先にするべきだ。

具体的には労働環境がクリーンな職場に先に転職をするといった抜本的に環境を変化させるソリューションである。

努力の継続は気合根性では続かない。理想的には日々のルーティンに落とし込み、気がつけばいつの間にか長く続いていたという状況だろう。そのためには無意識で取り組める状態が必須であり、大きな負荷なく取り組むための環境整備を先に整えるべきだ。

成功すること以外考えない

努力を継続してうまくいく人は例外なく、成功すること以外余計なことは一切考えないという特徴を持つ。

自分自身、仕事や勉強でうまくいった事例を振り返ると失敗は一切考慮しなかった。とにかくどうすればうまくいくか?ということだけを考え続けて、うまくいかなかった失敗を分析して改善につなげ、成功に必要な具体的な方法を洗い出し可能性が高いものを上から順番に一つずつ試し続けるというスタイルだ。ネットの記事や動画で情報収集をする時も成功する方法論以外は一切みないし、気持ちが萎える情報や人も自分の中に入れないように遮断する。

ところがうまくいかない人はこの逆をする。具体的に言えば、人生を良くするために頑張る活動をしているのにこれから世の中はいかに地獄のような状況になるか?といったネガティブの煽り情報を見てメンタルを病んだり、人生を良くするために頑張る人が集まるコミュニティではなく、現状維持を望む保守的な集まりの中で自分の取り組みを発表、周囲から頑張りを否定されて落ち込むということをしてしまう。客観的にみればわざわざ時間を使って自爆しているようなものである。これでは成功するはずがない。

成功をするなら、成功以外のことは一切考えず、情報もすべて遮断するくらい極端な環境構築をするべきだ。進学校や予備校に行くと志望合格の確率が飛躍的に高まる理由は、周囲の環境や人間関係も成功に直結するからである。こうした環境で努力を否定する人間も情報もない。だからこそ、メンタルが健全に保たれ、前向きな努力を継続できる。

成功を目指して頑張るなら、成功することだけを考え続けるのだ。そうすれば多少目先の失敗があっても「これは成功途上にある経験値を増やす要素でしかない」と都合よく解釈をして自分のメンタルを健全に保つことができるのだ。

成功するには努力を凡人の数倍以上息を吸うように差し出しのは最低条件として、質も非常に重要である。努力の質を高めるためには日々、取り組みの中で少しでも質の向上をする意識に加えて本稿で紹介した環境整備も取り組んでもらうことを勧めたい。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。