船井電機(大阪府大東市)は、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けました。同社は、近年は海外勢との競争激化に苦しみ、事業が低迷していました。
また、2023年には買収した脱毛サロンチェーンを1年で売却するなど経営方針が定まらず、08年の創業者退任後は後継者選びにも失敗し、赤字体質に陥っていました。さらにミュゼに関連して、22億円の広告代金回収不能という事態が発生していました。
参照:「世界のFUNAI」破産手続きへ 低価格テレビで一世風靡 日経新聞
これを受け、全従業員約2000人は即時解雇されることになりました。
参照:「破産です。給料は払えません。即時解雇です」 船井電機が破産手続き 突然の知らせに従業員2000人は 関テレ
船井電機は、かつて「FUNAI」ブランドの液晶テレビで北米市場に進出し、一定のシェアを獲得しましたが、中国勢との競争や経営の混乱、負債の増加が続き、最終的には破産に至りました。さらにガバナンスの不備、親会社が買収した脱毛サロン関連の不祥事なども信用不安を拡大させ、立て直しが不可能になりました。
経済誌「FACTA」によると船井電機の近年の変調は「あやしい勢力」に浸食されつつあったと指摘されています。同社では、2023年3月から4月にかけて複数の役員が辞任し、外部から貸し金業関係者など電機業界とは関係の薄い人物が取締役に就任していました。
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経営陣の一部には金融業や詐欺に関わる疑惑のある人物も含まれ、船井電機の経営が外部の監視から離れた非公開企業であったことがリスクとなったことが挙げられています。船井電機は2021年に非上場化し再建を進めていました。
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今回の破産は経営状況を鑑みれば予測可能な面もありましたが、従業員の方々は散々な目に遭ってしまいました。