大人になっても集団行動ができない「困った人」

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資産デザイン研究所では、富裕層向けの投資家コミュニティー「資産設計実践会」を主宰していますが、最近、受講者の数が200人を超えるまでに増えました。

それに伴い「ハラスメント規定」を設け、メンバー間のトラブルを防止する指針を作りました。他のメンバーに迷惑をかけるような問題がある人には警告した上で「強制退会」「永久出入り禁止」などの対応をして、コミュニティのクオリティを守るのが運営者の責任です。

ただし大半のメンバーはこのようなルールを作る必要のない常識的な人たちです。

また、規定に抵触するような明らかなハラスメント行為ではなくても、コミュニティの良好な関係を乱す「困った人」というのは、どこにでもいるのです。

例えば、こんな人たちです。

否定から入る
相手の話を頭ごなしに否定したり、誤りを指摘して正論で相手を論破するような人です。多様な価値観や考え方があり、知識レベルにも違いがあるのは当たり前。それを自分の意見を押し付け、否定から入るような対応はマナー違反です。中には人格攻撃をする人もいたりして、こうなるとハラスメントになってきます。

派閥を作る
仲良しのグループを作るのは良いですが、徒党を組んで他のメンバーを排除したりするのは大人げない対応です。誰とでも無理をして付き合えとは言いませんが、少なくとも同じコミュニティのメンバーに不快感を与えないように配慮をすべきでしょう。

自慢話で承認欲求
自分の自慢話ばかりしている人も周囲から疎まれます。中にはマウンティング合戦をしている人もいます。本人たちは承認欲求からやっているのかもしれませんが、周りから見ると何とも滑稽なものです。

お金に汚い
支払うべきお金をなかなか払おうとしなかったり、中には胡麻化そうとする悪質な人もいます。悪気は無くてもお金にルーズな人は段々と人が寄ってこなくなります。支払うべきものはサクッと支払って、貸し借りなどを作らずクリーンなお付き合いをしたいものです。

他にも色々ありますが、小学生の子供ならともかく、良い大人になってもマナーをわきまえない「困った人」は、どんな組織でも大人数になると必ず現れるものです。

「困った人」になるのは、周りに注意する人がおらず、ずっとチヤホヤされてきて、相手の気持ちを推し量る能力に欠けている人が多いようです。やってる本人に自覚がないのが何とも可哀想です。

経済的に豊かなだけの人ではなく、心も豊かな人になるように心がけたいものです。良識のある大人が集まる場所として運営する側も、参加する側も楽しくそして気持ちよく過ごせる場所にしたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。