日本は「ユーザーインタフェース」を工夫して多様化に対処せよ

日本に滞在していて、気がつくことに、日本の街中や店舗はまだまだ顧客とのトラブルを避ける仕組みになっていないなぁと残念に思うことがよくあります。

例えば様々な自販機の操作や申込書の内容が大変わかりにくくなっており、一目で理解できるようになっていないのです。つまり、複雑すぎると言うことです。


世界のニュースを日本人は何も知らない6

これは要するにユーザーインタフェースの話です。様々な情報が、目の動く経路に沿って設計されておらず、機械や紙の様々な場所に情報が散らばっているのです。そしてこれまた様々なフォントや色を使って作られているので、ユーザーは気が散るため一目で理解することができません。理解ができないので、コールセンターや店舗の人が何回も対応しなければならず、大変な手間がかかります。

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人員は減らせないし、運用コストも上がる、利益率は下がり、経営者もお客さんも現場も、とにかく全員が不幸になる仕組みです。

日本の機械や書類は使う人がかなり高いレベルでの知能があり、細かい作業を苦にせず、文字を読めると言うことを前提にしています。

おそらく設計する人の頭が良いのでしょうが、誰もがそのような複雑なことを理解できるわけではないと言うことがわかっていません。頭が良いようで悪いのです。

これは機械や申込書だけではなく、日本人が書く文書も同じです。説明書も宣伝も文章もとにかく冗長でまどろっこしく一発でわかるようになっていません。

親切心なのか、すべてのことを入れ込もうとして無駄なものがたくさん付いてしまっているのです。

理解力が落ちている高齢者は当然理解できませんし、文字を読むことが苦手な人にも向いていません。

当然日本語力が充分ではない外国人には理解ができません。

したがって日本にやってくる外国人旅行者は日本人が書いたものを直訳した説明文や機械の操作方法が全く理解できないのです。

どうしてこのようなことが起きるのかと言うと、機械の操作や文章を様々な人に見てもらって、テストを充分やっていないからです。

私は長年海外で仕事をしてきましたが、例えば申請書1枚、チェックシート1枚、システムの画面においても、アメリカやイギリスの場合は、様々な属性のユーザーに使ってもらって、かなり細かい検証をやります。社内で使うイントラネットであっても、誰もが理解できるように設計をします。

そうすればエラーが減りますし、説明をしなくても良いので、全体的な工数が減り効率化になるからです。

テストや検証に費用をかけても中長期的にはプラスになるわけです。アメリカやイギリスは様々な人がいるために、この様にサービス系のインタフェースでも製造業で蓄積してきたノウハウをうまく展開しています。

日本は製造業の世界ではユーザーが理解できるように、簡単に操作ができるようにと言う検証をやってきました。

例えばその代表は自動車業界です。乗る人が操作を誤れば人命に関わりますから、大変重要なことです。

しかし、街中の機械や文書に関しては、それが充分行われていません。製造業で培ってきた日本のノウハウを他の業界でも生かしてほしいものですね。

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