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公害発生装置を使う責任
どのような荒唐無稽な言い訳をしようと、自己本位な理屈を並べようと、薪ストーブは燃焼機器としては最も簡素であるという構造上、必ず煤煙と臭気を発生させるものです。
欧米基準規制に適合(残念ながら認証試験自体の不正が判明済み)した外国製の高価なストーブと乾燥した薪でも煙と臭いは出ます。
煤煙悪臭が出ないなど完全な嘘です。所詮、燃焼温度が500〜800度程度の低温燃焼であり、二次燃焼室は二次燃焼炉ではなくただの排煙路で、有害物質や臭気は実際には絶対に燃焼し尽くされません。多くの被害者たちはそれを体験し知っています。
触媒も言い訳、それは温度依存動作であり最も汚い排気を出す着火時や薪追加時など、排気温度が低下する状況では満足に作用しません。つまり「触媒は最も肝心な時に役立たない」わけです、科学的には。
業者が良く言う常套句「乾いた薪なら完全燃焼する」「温度が上がれば煙も消え、臭いも出ません」は絶対にあり得ません。
だから後付け式の排気浄化装置(といっても玉石混淆だが)すら売っているのです。
どのような言い訳をしようとも排気が臭くて汚いのは事実です。だから被害者の苦情が各地で増加しているのです。
煙と臭いを排出している段階で、「迷惑をかけていない」のではなく、「周囲が我慢している」だけです。
法や条例が無いのを良いことに(敢えて「図に乗って」という言葉を使う)自分たち、自分の家だけ快適に過ごせれば、周囲の家屋の住民たちの迷惑や健康を害する懸念などそんなの関係ない、薪ストーブで火を眺めている自分たちにとっては良い匂いだろうが、無関係な他人にとっては逃げ場が無く、その煤煙悪臭は隣人たちの快適な生活を一方的に破綻させ、心身ともに追い詰めています。
「煙や臭いなんておたがいさま」「他の臭いはどうなのか」「自動車排ガスのほうが」「おまえの体臭のほうが」等と、関係ない事柄に話題をすり替えてお門違いで支離滅裂な反論をする、自分勝手な反論で逆切れしてくる人もいますが、そのような点であなた達は根本的に間違っています。
住環境で大気汚染発生装置を平然と使用する者や製造販売社のモラル無き無責任ぶりを強く指摘しておきます。
薪ストーブを焚いている側がSDGsや炭素中立を振り回し、理不尽に迷惑、負担を、何の落ち度もなく生活している周囲の多くの人たちに対して一方的に与えているというのが事実です。
臭いの感じ方は人それぞれだから、その程度は周囲が我慢せよ、という高慢な態度をとるならば反論します。
燃焼臭気に対する人間を含む動物の本能が持つ感覚、不快に感じるレベルの閾値は、他の種類の臭気よりも低いものです。
モノが燃えるということは直ちに身の危険(火災の危険や有害物質の発生)につながる恐れのある現象であり、あらゆる動物は焦げくさい臭気に敏感に反応し警戒をするように出来ています。
それを多くの他人に一方的、長期的に耐えよ、というのはあまりに傲慢で無神経と言わざるを得ません。
臭いの感じ方は人それぞれでしょう。だから、自分だけの都合や特殊な趣味のために、不快と感じる多くの他人にそれを吸わせ続けるのは大いに間違っています。その程度の近所迷惑な趣味なのだから、ご自身が我慢しなさい。やめなさい。
近隣の住人たちは、表面上は平静を装いあなた達に普通に接しているかもしれないけれども、実際は、積み上げられた薪や、薪を切ったり運んだりしているあなた達をうんざりとした気持ちで眺め、煙突を見ては辟易として、嫌悪感一杯な気持ちで激しい怒りを貯めながら、薪ストーブ家屋一家に対して侮蔑を込めた冷たい目で見ていることを忘れないようにすべきでしょう。
WEB検索してみてください、被害者たちのものすごい激しい怒りの声がヒットするはずです。
一触即発寸前ですよ、本当に。それほど被害者たちは激しい怒りをため込んでいます。
木材燃焼煙の有害性は確定済み
炭素中立を看板にして薪ストーブを製造販売したり焚いている人に言っておきます。
木材燃焼による煙・排ガスの人体有害性は、既に多数の研究によって確定された事実です。
さらには気候変動問題に対しての木材燃焼が起こす悪影響も指摘されています。
自然の樹木間伐材をストーブの中で燃やせば、ベンゾピレン、一酸化炭素、酸化窒素、フェノール、ベンゼン、ブタジエン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、有害微粒子など多種が大量に出、それぞれの健康被害も既に科学的に証明されています。
自然素材の燃焼排煙は無害で臭くない、問題ない、というのであれば、煙突など使わずに家の中に排煙し自己完結してください。あなた達の理屈どおりならば、二次燃焼室や触媒のお陰で無害ですよね?
それならあなた方が無害で大好きな煙と匂いを外に出さなくても済むはず。もったいないですよ。お試しのほどを。
そして、薪ストーブ使用者の身体を張った汚染物質曝露実験の結果を学術論文にしてみて下さい。
木材燃焼排気は無害だとの結論を出した学術論文は未だに筆者は1報も見つけることができていません。
木材燃焼煙は完全に無害だと示す世界初の栄誉ある論文が出たら筆者に教えてください。
(木材燃焼排気は有害だと結論付けた学術論文は掃いて捨てるほど存在します。)
薪ストーブ業界は科学的な苦しい嘘をつき続けるのはもう辞めたらいかがだろうか?
素人被害者に対し「乾燥薪」で言いくるめて騙せても、我々を欺くことは不可能だと言っておきます。
なお、よく薪ストーブは火鉢と同じという言い訳を聞きますが、煙突が付いている火鉢を筆者は今まで見たことが無いです。
グリーンウォッシュビジネス
薪ストーブ販売施工業者、造園等の薪販売業者、建築、設計、不動産、薪ストーブのあるお店等、そして、アウトドアや田舎暮らし系をテーマにするメディア(書籍、特に雑誌、テレビ番組等)の各位に言っておきます。
以上のような問題を引き起こし、自己の利益のために勝手なイメージを作り上げ、大気汚染や周辺住民の生活環境を悪化させかねない、こういった炭素中立を悪用したグリーンウォッシュビジネスはもう辞めるべきです。
周辺住民たちは、薪ストーブユーザーの他、あなた達事業者(特に工務店と造園業者)に対しても非常に心証の悪いマイナスの感情を持ってしまう、ということをお忘れ無く。
地域を問わず、個人の特殊な趣味や商売のために無辜の多くの他人に迷惑を掛けないでください。
それに、本物のセレブなら他人様にこのような酷い迷惑を掛けるようなことはしません。
行政府の怠慢が煙害被害を拡大中
国政政党、国務大臣、首長、議員、役所の担当課の各位に。
この脱法大気汚染問題、煙害について冗談抜きで今すぐに真剣に取り組みなさい。
誰も言わない=問題ない、ということではない、ということを冷静に認識すべきです。
欧米諸国では既に禁止を含む厳規制が開始されています。
平然と「法や条例がないから自分たちで解決しなさい」と言い、「夜間や雨天時だけ焚けば良い」などと行政が責任回避的な事を言う姿勢自体が疑問です。
きちんと現状確認し問題意識を持ちなさい。
薪ストーブ煙害、これは国策による弊害公害です。その責任と対処義務は国にあります。
「ブランドイメージの向上」「インスタで魅力発信」など、浮ついた事ばかり言っていないで、今住んでいる住民が提起している問題、声にもっと積極的に耳を傾け、最優先で取り組みなさい。
と、行政関係者に強く要請します。
そして最後に、マスコミの無責任な扇動報道についても指摘しておきます。
編集部より:この記事は青山翠氏のブログ「湘南に、きれいな青空を返して!」2025年3月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「湘南に、きれいな青空を返して!」をご覧ください。