『地方創生2.0』をどう活かす?ネオ・ジャポニズムの実践可能性

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今『地方創生2.0』とか言ってる場合じゃねえだろ?それより、減税策をどうするかの方が大事じゃねえか、という声があるのもよく分かっているが、一方、そうとばかりも言ってられないと思いませんか?

これから、『地方創生2.0』とは何か?を改めて整理しながら、今後地方行政や中小企業がどう進んでいけばいいのか?を、私が「ネオ・ジャポニズム」と言ってる点を踏まえつつ、何回かに分けて書いてみたいと思う。

『地方創生2.0』とは?

石破政権が誕生して以後、先の第二次安倍政権時に打ち出した「地方創生」をさらに進め、『地方創生2.0』を銘打って、新たな看板政策として打ち出した。政府も予算を倍増(1,000億→2,000億)して、より具体的な地方の動きに対応しようとしている。

・地方の人口減少
・東京一極集中の是正
・持続可能な地域社会

この3点が『地方創生2.0』の柱だ。

具体的には有識者会議の設置、農産物の輸出促進、再エネ促進のための供給拠点の拡大、防災庁設置、「デジタル田園都市計画」の推進、ドローン配送のモデル事業推進、最低賃金1,500円の実現で所得格差を無くし地方からの人口流出に歯止めをかける等、実は『地方創生2.0』って、結構、幅広い政策を打ち出している。

この項目を見て意見があるのは、私も理解している。これら政府が推進する事業の中で、ピントがズレてるんじゃないの?と感じる部分は確かにある。

ただ、そうばかりも言ってられないわけで、大事なのは、これら政府が推し進める政策を地方企業ならどのように取り入れるか?どのように活かしていくか?じゃ無いかと思う。

『地方創生2.0』の可能性

既に政府は、地方で注目されている自治体の取り組みや中小企業の取り組みを参考事例にして有識者会議でも事例として取り上げている。これを政府は五つのポイントに絞って取り組みの具体的柱にしてる。

・付加価値「創出」型の地方経済
・安心して暮らせる生活環境
・持続可能な行政
・企業や行政機関のリスク分散
・デジタル・新技術の活用

この柱を言われても、企業や団体、個人にはなんのことやらよく分からん、と言う話になるので、個人や小規模な団体に絞って、この点を論じてみたい。要はこれまでのライフスタイルや価値観を見直す指針としてこの『地方創生2.0』を捉えてみてはどうか?と言うのが私の提言だ。

今の日本はコストプッシュインフレの状況なのに実質賃金は上向かない。そのせいで庶民生活は圧迫されていると言っても、GDPはドル換算でも日本円で見ても伸びている。むしろデフレ不況の時やコロナ禍のような世界的な資本移転の方が、GDPには大きく影響が出ている。

よくデフレの時の方が良かったと言う人もいるけど、それは大きな間違い。経済とはパイの取り合いであると同時に、どこかから儲けを得ていかなければならないのだから、エネルギーや原材料、食料の輸入に頼る日本は支払う方も大きいかわりに、それを元手に外国から稼ぐことを考えなきゃいけない。また、人口動態とマクロ的な視点で見ても、経済が大きくなることは物の価値が上がることであって、適度で緩やかなインフレにならなきゃ私たちの生活は豊かにならない。

『地方創生2.0』と言うのは、地方の活性化の基軸になるのは、別に今に始まった話じゃない。以前も触れたように日本はどうしても都市部に人口が集中しがちで、所得格差が大きくなりやすい。地方都市や地方自治体の活力が上がらなきゃ、どのみち少子高齢化に歯止めがかからないのは明らかだ。

だからこそ、『地方創生2.0』をやろうと政府が打ち出したなら、特に地方の中小企業や団体、個人はそこに乗ってみるのもアリだと思うのだ。

ましてや企業の終身雇用なんて遠い昔の話なのだから、新たな産業、新たな地方自治のあり方を模索しなければ、地方の未来は暗いものになるように思う。

以後、

・『ネオ・ジャポニズム』って?
・『ネオ・ジャポニズム』は空理空論ではない

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。