ホワイトハウスの報道官で27歳のキャロライン・レビットさんが日本でも人気上昇中。かつて中国外務省の華春瑩報道官がなかなか美形だと話題になって、河野太郎外相が一緒に写った写真を披露して話題になったこともある。
華春瑩さんは現在54歳、外務省報道官として登場したときで40歳くらいだったが、キャロライン・レビットさんはなんと27歳。まことに若々しさにあふれている。

キャロライン・レビット報道官インスタグラムより
しかも華春瑩さんは外務省報道官の一人だったが、レビッドさんは、ホワイトハウスの報道官。日本でも事務次官に準じるクラスの内閣広報官はいるが、裏方であって、毎日、記者会見するのは官房長官だ。
ホワイトハウスの報道官はそれと同格ではないが、フランス大統領府の報道官等と同じで準閣僚クラスの重責だ。
記者会見でもメモを見ず、トランプ大統領を代弁するのだが、きちんと自分の言葉で話して、リベラル色の強いメディアと堂々と渡り合っている。メモばかり見てる林芳正官房長官などよりよほど政治家らしい。
3月16日には、フランス選出のヨーロッパ議会議員、グリュックスマン氏が、トランプ大統領について「(米国人が)暴君を支持することを選んだ」などと口汚く批判したので、
「フランス人がいま、ドイツ語を話していないのはアメリカのおかげだ」と二度の世界大戦での米国の支援を簡潔な言葉で思い起こさせたのは見事な対応だった
レビッドさんが注目を浴びているのは、超美形でないにせよいかにもアメリカ的な健康で美しい女性であることもさることながら、その経歴の庶民性にある。ニューハンプシャー州というど田舎のアイスクリーム店と中古自動車販売が実家で両親や兄弟など一族で初めての大卒だったらしい。
ソフトボール選手としての奨学金を得て、地元のベネディクト派の私立セントアンセルム大学に進み、ハーストテレビジョンWMUR-TVで働き、2019年にコミュニケーションと政治学の学士号を取得した。
フォックスニュースでホワイトハウス大統領特派員事務所ライターとしてインターンをした。卒業後、ホワイトハウス報道官補佐となった。
トランプ落選後、ニューヨーク州選出共和党下院議員エリーズ・ステファニックの広報部長、25歳のとき中間選挙でニューハンプシャー州第1区で予備選で勝ち、本選では敗れたが大健闘。
大統領選でトランプの全国広報官を務め、第1子出産で休養後、トランプ暗殺未遂事件ののち職務復帰。トランプは、「賢く、タフで、非常に有能なコミュニケーター」と評している。夫は32歳年上の不動産開発業者であるニコラス・リッチオ。
非常に熱心なカトリック教徒であり、自分の考え方がカトリックの影響下にあるといっている。しばしば、トランプを福音派というが、彼のスタッフや馬が合う人を宗教で説明するのは無理でこじ付けだと思う。
レビッドのような地方出身で地元の大学しか行っていない庶民の娘が、この若さでこういう地位に就くのは、いかにもアメリカ的である。それとともに、これはアメリカに限らないことだが、ネット時代にあっては、高度な教育を受けなくとも、広範な専門知識や熟練した知的スキルを獲得できる時代だということである。
一方、古典的教養の価値の軽視が、どう影響してくるのか、良くも悪くも注目したい。

キャロライン・レビット報道官インスタグラムより