カンボジアで実感する経済の成長と成熟

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カンボジアには1年ぶりに来ましたが、たった1年でも変化を感じることがいくつかありました。

まず街中を走る車です。以前はボロボロのトゥクトゥクがたくさん走り回っていましたが、自動車とバイクの比率が高まった気がします。車やバイクを保有するカンボジア人が増えたのではないでしょうか?

そしてその自動車も小綺麗な車両が増えて、トヨタやレクサスは当たり前。テスラやマイバッハも見かけました。全体的に走っている車のクオリティも上がっているようです。

また、人々の服装にも変化があります。路上で商いをしている人たちはあまり変化を感じませんが、レストランで見かけるカンボジア人の服装が洗練されてきたと思いました。

特に女性は綺麗に着飾って食事にやってくるお洒落な人が目立ちます。

そして、プノンペンの中心部にあるセントラルマーケットでも変化を感じました。ここではローカルの人たちが野菜、肉、魚といった生鮮食料品を買っている庶民的なマーケットです。

外国人観光客向けのお土産も買うことができ、毎回出かけています(今回もカンボジアペッパーを買うことができました)。

以前はマーケットに近づくと、常温で置かれている魚介類が発する強烈な生臭い匂いがありましたが、今回は30度を超える炎天下にも関わらずあまり感じませんでした。

たまたまなのかもしれませんが、衛生状態や保存技術が良くなった可能性があると想像しています。

カンボジアでもITや英語といったグローバルに通用するスキルを持った中流層の人たちの給与が上がり豊かになっています。彼らがバイクや車を買って、高級レストランで食事を楽しむ。

日本の高度経済成長と同じようなフェーズに入ったのではないでしょうか。さらにこれからは住宅ブームがやってくるはずです。人口ピラミッドを見れば、これから30代を迎えるような人口比率が高く、彼らの購買力が高まっていく時代がもうやってきているのです。

そう言えば、ホテルのイタリアンレストランで夕食で食べたカルボナーラの麺の茹で具合が絶妙なアルデンテだったのにも驚きました。

プノンペンには有名なフレンチレストラン(写真)があって10年前から頻繁に利用していますが、遂に本格的なイタリアンパスタまで食べられるようになったのです。こんなところにも経済の成長と成熟を感じました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年3月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。