アゴラでは日々多くの記事を配信しており、忙しい方にはすべてを追うのは難しいかもしれません。そこで、今週の特に話題となった記事や、注目された記事を厳選してご紹介します。
政治や社会保障を中心に、国際情勢やビジネス、文化に至るまで多岐にわたる内容を網羅。各記事のハイライトを通じて、最新のトピックを一緒に深掘りしましょう!
政治・経済・社会保障
小泉農相がコメ5kgを2000円と指定したのは、法の趣旨を逸脱した価格介入であり、制度上も違法性があると筆者は批判します。備蓄米制度の目的は供給不足への備えであり、政治的価格指定は市場を歪め、農家に損害を与える可能性があります。農家は訴訟などで是正を求めるべきだとしています。
小泉農相備蓄米2000円指定:法の枠を超えた価格介入、コメ農家は撤回と是正を求めるべき(浅川 芳裕)
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玉木代表が古い備蓄米を「1年経てば動物のエサ」と表現したことが波紋を呼びました。発言の真意はコメ政策の抜本改革を訴えるものでしたが、誤解や感情的反発が拡大。問題の本質は、米政策全体の見直しにあると指摘しています。
国民民主・玉木代表の「エサ米」発言が波紋:問題の本質はそこじゃないのに(アゴラ編集部)
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コメの価格高騰は農水省の減反政策と不透明な輸入制度に起因します。筆者は、ミニマムアクセス(MA)枠の主食用拡大と関税引き下げを提案し、欧米型の直接支払い制度導入によって自由で競争力ある農業へ転換すべきと主張しています。消費者・農家・国益すべてに資する改革が求められています。
コメ問題はMA枠を廃止して関税を下げれば解決する(池田 信夫)
今週のVlogもどうぞ。
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自民・立憲の年金法改正案は、厚生年金の積立金と増税で基礎年金を底上げする「毒入りあんこ」だと筆者は批判します。制度は複雑化し、将来世代の負担が拡大。過去の改革が行き詰まりを見せる中、抜本的な税方式への転換と超党派での再設計が必要だと訴えています。
「毒入りあんこ」を食わせる自公立の「増税大連立」は阻止すべきだ(池田 信夫)
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自民党と立憲民主党が年金改正で結託した背景には、それぞれの政治的思惑があります。自民党は制度延命の責任を単独で負いたくなく、立憲は高齢者支持層へのアピールと内閣不信任案回避を狙って合意。両党の利害が一致した結果、国会での迅速な法案通過が進められたと筆者は批判しています。
なぜ自民党と立憲民主党は結託して年金を改悪するのか?(音喜多 駿)
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年金改革法案により、厚生年金の積立金を使って国民年金(基礎年金)を底上げする仕組みが導入されようとしています。筆者は、これが厚生年金加入者にとって不公平な「横取り」であり、将来的な受給者の損失や制度の持続性に疑問が残ると指摘しています。
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年金法改正案が審議なしで可決され、厚生年金の積立金を流用して基礎年金を補填する「国営ネズミ講」が進行中です。筆者は、これは将来世代への税負担の先送りであり、根本的な制度改革ではなく延命策に過ぎないと批判しています。最低所得保障への転換が必要と訴えています。
年金官僚が立民党を利用してしかけた「国営ネズミ講」の逆転劇(池田 信夫)
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年金法案で自民・公明・立憲が結託し、厚生年金の積立金65兆円を基礎年金の底上げに流用することを強く批判しています。現役世代の負担が増える一方、救済の効果も不明確で制度延命のためのバラマキだとし、不公平な構造に怒りを表明しています。
国際・エネルギー
欧米メディアや一部学者・評論家がロシア・ウクライナ戦争を巡って感情的・偏向的な論評を繰り返していると批判しています。事実確認を欠いた煽動や「盛る」姿勢が目立ち、トランプ氏の動きやバチカンの調停話などが繰り返し誤って扱われている現状を「無限ループ」と形容し、冷静な報道と分析の必要性を訴えています。
煽り系メディア・学者評論家層の国際問題論評について(篠田 英朗)
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韓国大統領候補・李在明氏の側近が、日韓協力の新たな枠組みを「薩長同盟」になぞらえて提案しました。政治的対立を超えた連携を呼びかける一方で、彼は過去にGSOMIA破棄を主導した人物でもあり、発言の真意には慎重な見極めが求められています。
韓国大統領候補・李在明氏の側近が「薩長同盟」を提案:過去にGSOMIA破棄を主導(アゴラ編集部)
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プーチン大統領のウクライナ侵攻決断は「非合理」ではなく、政治心理学で説明可能と筆者は述べます。損失回避、属性バイアス、誤認、自信過剰、集団浅慮などの心理的要因が複合的に影響したと分析し、政策理解には感情や心理の視点が不可欠だと訴えています。
なぜプーチンはウクライナ侵攻を決断したのか:政治心理学からのアプローチ(野口 和彦)
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トランプ政権は、反ユダヤ主義対策や大学の左派傾向是正を理由にハーバード大学への補助金を凍結しました。大学は言論の自由の侵害として反発し訴訟に発展。この対立は、米国における高等教育の政治化や社会的信頼の低下を象徴しています。
トランプ政権、ハーバード大学の補助金凍結の狙いとは(安田 佐和子)
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安倍昭恵さんがモスクワでプーチン大統領と面会し、故安倍晋三元首相のロシア外交への貢献を称えられました。文化交流の継続を訴える一方、この面会は日ロ関係改善や日米への牽制との見方もあり、国際政治的な意味合いが注目されています。
安倍昭恵さんがプーチン大統領と面会:関係改善かアメリカへの牽制か?(アゴラ編集部)
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2025年G7サミットはトランプ第2期政権下で初開催され、米国は気候変動政策で他のG6諸国と立場を大きく異にしています。過去のG7では意見の不一致が顕著でしたが、今回は分断を避け、一致点(エネルギー安全保障やAI電力需要など)に焦点を当てた声明が予想されています。
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米国ではトランプ政権がバイデン時代の「インフレ抑制法(IRA)」による脱炭素支援策の打ち切りを進めているのに対し、日本は「GX法」により20兆円の国債発行を含む150兆円規模の脱炭素投資を推進中です。エネルギー価格の差から、成長機会を逃すリスクが日本にあると筆者は警鐘を鳴らしています。
米国グリーン法は瀕死だが日本は政府も国会もグリーンに邁進(杉山 大志)
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2025年4月、スペインとポルトガルで発生した広域停電の原因は、再生可能エネルギーの大量導入による送電系統の不安定化にあります。PVの偏在と送電線事故が重なり、需給バランスが崩れて脱調が起きた結果、連鎖的な発電停止に至りました。日本も同様のリスクを抱えており、政策の見直しが急務です。
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柏崎刈羽原発の再稼働は、新潟県の公聴会や意見交換の影響で今夏も見送りに。テロ対策施設の遅れや規制委の対応も影響し、東京電力の経営は悪化。今後4年稼働がなければ、電気代の上昇や東電の経営破綻リスクも現実味を帯びています。
柏崎刈羽原発、今夏の再稼働も見送り:高止まる電気代と行き詰る東京電力(アゴラ編集部)
ビジネス・IT・メディア
かつて理想とされた「フルFIRE(完全早期リタイア)」は、インフレ・AIによる労働環境の変化・世界的な物価高騰などの影響で実現が難しくなっています。筆者は、働かない自由よりも「働くことを選べる自由」が真の贅沢だと述べ、セミFIREなど柔軟な選択の重要性を訴えています。
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部下に仕事を任せられない上司は、自分でやる方が早いと考えがちです。しかし、それは部下の成長機会を奪い、結果的に組織の力を弱めます。育成は時間と労力の投資であり、任せることで長期的にチームの生産性と信頼関係が高まると著者は説いています。
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アサヒビールが開発した「アサヒゼロ」は、アルコール0.00%ながら本物のビールに近い味を実現し、発売初年に販売目標の3倍を達成しました。熱による香りの劣化を克服し、製造工程を刷新したこの商品は、スーパードライに匹敵するイノベーションと評価されています。
「アサヒゼロ」は、スーパードライ以来約40年ぶりのイノベーション(永井 孝尚)
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日産の経営悪化にもかかわらず、内田誠前社長ら役員4人が計6.5億円の退職金を受け取ったことが批判を集めています。ホンダとの統合交渉失敗や過剰な役員数など無能ぶりが強調され、会社や社員への責任感が欠如していると指摘されています。
責任感は1ミリもない日産の役員4人の退職金が合計6.5億円(茶請け)
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日本人の平均年収460万円に6割が届かないのは、雇用の硬直性、報酬の二極化、手取りの目減りが原因です。努力だけでは限界がある一方、スキルアップや業界選択、資産運用による個人の戦略も重要。国家の過剰規制も賃金停滞の一因と筆者は指摘しています。
平均年収460万円に6割の日本人が届かない理由(黒坂 岳央)
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米著作権局は、生成AIの訓練における著作物利用のフェアユース適用について報告書を発表しました。AI訓練は著作権侵害の可能性がある一方、用途や影響次第でフェアユースと認定される余地も示唆。市場への影響やライセンスの在り方も議論されており、今後の法整備が注目されます。
米著作権局「AI訓練とフェアユース」報告書を出版前に発表(城所 岩生)
科学・文化・社会・一般
メディアで「激混み」と報じられていた大阪・関西万博ですが、筆者が1歳の子ども連れで訪れた際は快適でした。複数のパビリオンを待ち時間20分以内で回れ、入場もスムーズ。不安を抱えての訪問でしたが、事前準備と訪問時期が功を奏し、家族で楽しく過ごせた体験が語られています。
こんなに快適とは…激混みと言われた大阪万博に子連れで行ってみた(濱田 浩一郎)
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東京大学は、米ハーバード大学で学べなくなった留学生の一時受け入れを表明しました。これはトランプ政権による締め付けが背景にありますが、中国系工作員への懸念やDEI(多様性・公平性)への過剰な配慮に対して、国内では安全保障や偏重を懸念する声も上がっています。
東大によるハーバード大学留学生受け入れに心配の声(アゴラ編集部)
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與那覇潤氏は、江藤淳と加藤典洋を対比し、成熟とは「理想を取り戻す」のではなく「喪失を認め持ちこたえること」だと説きます。現代日本では安易な正義や過去回帰が横行しがちですが、冷静に中間的立場で現実と向き合う知性の重要性が語られています。
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京都・嵯峨野にある祇王寺は、雨の日こそ魅力が増す苔と青もみじの美しい寺院です。しっとりと潤う苔庭や青もみじのトンネルが訪れる人を癒し、特に雨の日にはその緑が鮮やかに映えます。歴史ある祇王寺は、静けさと自然美が調和した癒しの空間として紹介されています。
京都・嵯峨野 雨の日にこそ訪れたい苔の寺・祇王寺(ミヤコ カエデ)