高市早苗総裁選出と左翼の『階級差別』

谷本 真由美

自民党の次期総裁に高市早苗氏が選出されました。

この選出に関して日本初の女性首相だと言う点をなぜか日本のメディアや左翼系の人々は全く騒いでいません。

高市早苗総裁 自民党HPより

むしろ大きく取り上げているのは北米や欧州の左翼系や中道のメディアや有識者であり日本との温度差の違いに大変驚かされたのです。

私の著書『世界のニュースを日本人は何も知らない』 シリーズ に明記したように、海外先進国は日本を大変保守的な国だと考えているので今回の選出にはとても驚かれたのです。

日本では「同じ女性であってもこんな人が選ばれるのはありえない」と言っている左翼系のコメンテーターや活動家、議員が多いのに驚かされます。

つまり彼らにとっては「ジェンダー」と言うのはあくまで自分達の商売をうまく回すための「道具」にすぎず、本当の意味での女性の社会進出や活躍を望んでいないと言うことなのです。

これは左翼系の活動家が、流行りに沿って自分の修理主張を環境や移民問題とコロコロ変えるのと全く同じです。

主義主張が本当にそう思っているとか信念ではなく、食い縁を稼ぐためだけに過ぎないのです。

なんと浅ましいことでしょう。彼らにとって人生をかけた信念というものは無いのです。

そして「女性」とは、自分たちの主義主張に合う人にだけに適用される「ジェンダー」のことであって、 考え方が異なるのであれば「あるべき女性」としては扱いません。彼らの中では保守的な思想を持つ女性は女性ではなく祝福される人々では無いのです。

そして女性は常に弱者であって男がやるようなことに 取り組むことも模範的な女性がやることではないと言う考えが透けて見えています。

女性は全て左翼的な思想を持っていなければならず、 環境や動物保護に熱心で、 不法難民を支援し、 トランスジェンダーを許容しなければならないと言う考え方に凝り固まっています。 女だって多様であり、保守的な考え方の人、自由な人、人それぞれです。

様々な人がいることを認めることこそがリベラルであり自由なのです。

さらにそのように高市総裁を認めない左翼の人々は、その少なからずが大変恵まれた環境で育った富裕層です。

保護者が病院を経営していたり大企業の幹部、 代々続く商売をやっていたりと大変裕福な人々が多いのです。

そして彼女達の通っていた学校は学費が高額な私立。仕事も親のコネや知り合いを総動員して楽で体裁が良いものを手に入れます。

彼らの中には親が工場労働者だった人や片親家庭で苦労した人々、 風俗で勤務していた人はいません。兄弟や親類、近所に非正規雇用の中年はいません。配偶者も同等の学歴で実家は豊かです。

彼らはごく普通の庶民的な家庭で育った公立学校に通った人々や、 大学の学費を親が払えなかった人々を 差別し、 自分たちの主張の方が崇高で我々の考え方に従いなさいと言う態度を取るわけです。

面と向かってはやらないこともあります。

理論で固めてそれらしく語ることもあります。

ただその背景にあるのは自分より下と考えている階級への差別です。

私は今回高市氏が選ばれるべき女性ではなかったと言っている人々がそのような特権階級だらけのことに気がついてしまいました。

高市氏は普通の家庭に生まれ、地方出身で、ずっと公立の学校に通っていた人であり、 自身が女性特有の病気や難病を抱え、 義父と配偶者の介護までこなしています。

女の人生として考えると最も困難な状況にある人の1人です。

70代になる私の母は「早苗ちゃんは女の人生の悲惨さのフルコースじゃないか」といっていました。

私の母も祖母も婦人病や免疫疾患、介護で苦労してきました。祖母はリウマチで腫れた関節や曲がった手指で病院の食堂で賄をやり、便洗いや家政婦をやって、母子家庭だが子供3人を育て上げました。

高市氏は、その属性を見るなら、左翼の人々が保護するべき「弱い女」なのです。

ところが彼らは高市氏を寄ってたかって差別し、 欧州の基準では伝統的保守に過ぎず、決して極右とは言えないその思想も、言葉尻だけ捉えたり曲解して攻撃しまくっている。左翼メディアは切り取り報道です。

私はここに日本にも存在している階級差別の非常に醜い側面を感じ取ってしまいました。 そしてとても悲しくなりました。

日本にも階級ははっきりと存在していてそれは 実は欧州の階級差別とそれほど変わりません。 人々が同じ階級で固まって暮らしていて、 結婚も仕事も交友関係もその階級の内部で行われるのです。

そこには「多様性」はありません。


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