公明党、首班指名は「棄権か斉藤鉄夫」:再連立は「次々回の首相指名選挙」で検討

自民党との26年連立を解消した公明党が、今後の進路を探っている。斉藤鉄夫代表は、当面は野党として独自路線を歩む姿勢を示しつつも、将来的な再連立を視野に入れる発言を行い、政界の注目を集めている。

  • 再連立は「次々回の首相指名選挙」で検討
    斉藤代表は「ReHacQ」の動画配信で、「首相指名がある時に連立協議はあり得る」と述べ、次々回の首相指名時に自民党との再連立を検討する可能性を示唆した。一方で「一度野党になる以上、連立合意にはハードルがある」と慎重な姿勢も崩していない。
  • 現段階では中立を維持
    首班指名選挙では「棄権か、斉藤鉄夫と書く」と述べ、与野党どちらにも肩入れしない方針を示した。野党統一候補(玉木雄一郎氏)への投票にも否定的で、「いきなり野党党首の名前を書くことはできない」と語った。
  • 野党協議に参加し「是々非々」へ転換
    公明党は立憲民主党や国民民主党、維新などが進める国会運営の野党協議に参加する見通し。立民の野田代表や安住幹事長も公明側からの参加希望を明らかにしており、今後は政策ごとに協力相手を選ぶ柔軟な対応を取る見込みだ。
  • 「公明党らしさ」の再構築を強調
    西田実仁幹事長は「連立離脱を機に、公明党らしさを発揮する」と発言。福祉、教育、平和など中道的政策を前面に出し、創価学会支持層への原点回帰を目指す。
  • 選挙協力の不均衡が離脱の主因
    自公連立を支えてきた「比例は公明」の選挙協力が機能不全に陥り、自民党側が比例票を流さなくなった。その結果、公明党にとって連立の利点が失われ、「ただ働き」状態への不満が高まったことが離脱の引き金となった。
  • 中期的には再び「調整役」を狙う構え
    公明党は短期的には野党として存在感を示しつつ、中期的には次の政局で再びキャスティングボートを握る狙いがある。石破政権が不安定化すれば、公明が再び政権入りする可能性があるとみられている。

公明党は、連立離脱によって一時的に野党の立場に転じたが、完全な野党路線には踏み込まない。短期的には「是々非々」で中立を保ち、長期的には次々回の首相指名での再連立を視野に入れる。今後の政局において、公明党は再び「調整役」として存在感を発揮する可能性が高い。

高市早苗総裁(自民党HP)と斉藤鉄夫代表(公明党HP)