2026年、高市内閣の行方と解散総選挙は?:高い支持率を維持できるか

一部の報道からは2026年の早い時期に高市政権は解散総選挙を行うのではないか、と囁かれています。背景は高い支持率のうちに、ということでタイミングとしてはやるなら春か秋とされます。さて、様々な意見が飛び交うであろう政治の世界を覗いてみましょう。

高市首相 首相官邸HPより

まず高市政権がなぜ高い支持率を維持しているか、です。ここでクリアにしておかねばならないのは高市氏の人気は高いが、政党支持率で自民党が有為に上昇したわけではなく、政党人気はそう変わっていないという点です。高市氏の高支持率1つのヒントは20代以下の支持率(18-29歳)が92.4%と異様とも言える数字を打ち出しているのです。石破政権末期が14.4%であったことと比較するとこの違いはずばり「分かりやすさ」なのだと思います。

政治の世界ってドロドロしていて自民党の真の権力者の話とか、それこそ昭和の時代にはそれを取り持つ反社との黒い闇の関係、あるいは各種団体との不健全な「持ちつ持たれつの絡み」というのが当たり前でした。ですが、若い方々にはディスクローズの世界、無色透明、全部見えるそんな社会がお好みのようです。石破氏は見えなかったわけではないけれど理念など哲学チックで結局首相として具体的に政策をどう展開させるか、ちっともわからなかったというのが本音だと思います。石破氏の話を聞いていると「痒くなる」方が多かったと思います。話を聞いていてイライラする方も多かったでしょう。まるで坊さんの説法を聞いているようなそんな感じだったのです。

高市氏はその点、180度変わり、わかりやすさと歯に衣着せぬトークが若者のハートにグサッと刺さったとみています。今はデジタル時代であり、そのエージグループに評価されたのだと思います。同様に相方の一人に選んだ片山さつき氏もその傾向が強いのですが、両名を見て思うのは女性ならではの話しぶりなのですね。同じようなしゃべり方は小池百合子氏もします。彼女もはっきりズケズケ言います。

では男性はなぜズケズケ言えないのか、これは生理学的な男女の差の話になるので今日はしません。では女性のハッキリ言うタイプが受けるならなぜもっと早く女性の首相が出なかったのでしょうか?実は世界を見ると傾向としては女性の国家元首や候補、首長は比較的短命なケースが多いのです。短命な男性ももちろんいますが、女性トップが辞める理由に「突然」のケースが多いのです。何かメンタルなポイントを突かれたとき、「もうできない!」になる傾向はあります。英国のトラス氏は典型ですし、クリントン女史、ハリス女史は燃え尽き症候群でした。これは突っ走るリーダーだと実は敵や罠が多く潜んでいることに気がつかなかったり、軽視したりしてあるきっかけで崩れやすいとも言えます。

では日本の政治を議論をするにおいて高市氏だけを見ていてもそれは分かりにくいので組織力につながるかどうか、そこを判断しなくてはいけません。私がまだ良く見えないのはこの組織の部分なのです。つまり組閣は正しかったのかであります。例えば中国との問題があれだけ出たにもかかわらず茂木外相の名前がメディアに出ることはほとんどありません。コメ問題でも農水の鈴木憲和大臣の評価は割れています。案外したたかなのが小泉防衛大臣で任務を全うしているように見えますが、いずれにせよ現職大臣の芽がよく見えないのが気になります。というか、高市氏が全部自分でやり過ぎる傾向が強く、近年の国家元首のトレンドである権力構造の強化とも言えなくはありません。

権力の集中は日本的ではなく、うまく行っている時は絶好調なのですが、失敗すると瞬く間に崩壊するシナリオになるのでここが心配であります。

では解散総選挙の可能性です。個人的には対中国問題は高市政権においてずっと尾を引くとみています。そして11月のAPECに向け、何らかの決着をつける必要があります。そのヒントは4月の日米首脳会談が実現するか、その内容がどうなるか、更に米中首脳会談にそれが反映されるか次第だと思います。ここで一定の成果が確認できれば解散総選挙できると思いますので6月会期末までに実行するシナリオは現実的だと思います。一方、中国問題がこじれた場合にはAPEC前後に不信任案が出る可能性もあります。

もう1つは国内経済問題、特に物価と賃金が本当に国民の期待通りになるか、であります。個人的には春闘では高い水準の回答が出るとみていますが、中小企業が追い付けなくなり、「景気が良いのは大企業従業員だけ」という格差問題が生じるリスクをみています。もう1つは年金暮らしの高齢者がこれ以上物価が上がった場合、生活破綻を起こす可能性があり、そこをどう手当てするかという問題も生じます。

財務省的には物価上昇はありがたいのです。税収がどんどん増え、GDP比の債務比率は下がるからです。故に円安放置説も出てくるのでしょう。株価にもプラスなのでそのような嬉しい話に苦しい人の声がかき消される点は考える必要があります。

3つ目に党利党略の話です。自民党としては国民民主を与党入りさせたいでしょう。なぜなら絶対安定与党になりえるからです。但し、国民民主は連合との関係をどうするかです。個人的には連合にチカラがそこまであるのか問いてみたいと思います。もう組合組織の票の時代でも従業員の票でもなく、個々人として考えて投票する時代ではないかと思います。ならば玉木氏が構造壁を乗り越えるか、そのチャレンジ次第です。

国民が与党入りした場合、吉村氏がそっぽを向くような気もします。(彼は我儘な坊ちゃんですよ。)また自民党内が一枚岩になっていない点も気になります。高市政権は高支持率故に党内から批判も出来ず、黙っている自民党議員が多く、正面から意見しているのは石破氏ぐらいであります。これはある意味不健全で、かつマグマが溜まる悪い傾向です。

その点からは私は2026年の高市政権は手放し状態ではないとみています。つまり4年やれる素地はあるけれど自らがそのチャンスを潰す可能性もあり、サプライズが起きないとも限らない、そんな足元だと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年1月6日の記事より転載させていただきました。

アバター画像
会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。