米連邦最高裁が国際緊急経済権限法に基づく関税措置を違憲と判断したことを受け、米税関・国境警備局が相互関税の徴収停止を正式に発表した。トランプ政権の通商政策は大きな転換点を迎え、日本を含む各国との貿易関係にも影響が及ぶ見通しである。
- 米税関・国境警備局(CBP)は2月22日、国際緊急経済権限法に基づく相互関税などの徴収を24日に停止すると発表した。
- 背景には、2月20日に米連邦最高裁がIEEPAに基づく関税措置を違憲と判断した判決がある。最高裁はIEEPAは大統領に関税を課す権限を与えていないと明確に指摘した。
- トランプ大統領は同日、違憲判決を受けて関税徴収を速やかに終了する大統領令に署名した。導入から1年を待たずに相互関税は効力を失うことになる。
- 日本に対して課されていた15%の相互関税は撤廃される。一方で、通商法122条を根拠とする世界一律10%の関税が新たに適用される見通しである。
- 通商法122条は国際収支の深刻な赤字に対処する目的で、原則150日間に限り最大15%の関税を課す権限を大統領に与えているとされる。今回の措置はIEEPAに代わる法的根拠として位置づけられている。
- ホワイトハウス側は国家緊急事態に基づく包括的関税は否定されたが、別の法律に基づく関税政策は継続可能との立場を示している。
- 相互関税の停止が決まったことを受けて、23日のニューヨーク株式市場は不安定な値動きとなり、ダウ平均株価は先週末の終値と比べて一時800ドルを超える大幅な下落となった。
今回の最高裁判決は、大統領による緊急権限の行使範囲を明確に制限する歴史的判断となった。相互関税は終わるが、通商法122条に基づく新たな関税が発動されることで、米国の保護主義的な通商姿勢が直ちに後退するわけではない。司法と行政のせめぎ合いが続く中、日本を含む各国は引き続き慎重な対応を迫られることになる。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより







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