日銀審議委に「リフレ派」二人起用で「インフレ税」が既定路線に

25日に示された日銀審議委員人事は、金融緩和に前向きで利上げに後ろ向きな「リフレ派」2人を起用する内容となった。この布陣転換は、市場に「利上げは遠のいた」とのメッセージを与え、円安を通じて物価上昇圧力を強める可能性があるとの見方が広がっている。

  • 政府は25日、日本銀行の審議委員に浅田統一郎・中央大学名誉教授と佐藤綾野・青山学院大学教授を充てる人事案を提示した。いずれも金融緩和と積極財政を重視する立場で知られる。
  • 政策委員会におけるリフレ派の比重が増すことで、追加利上げや金融正常化のスピードは抑制されるとの観測が強まった。市場では「当面は緩和寄りの運営が続く」との受け止めが広がった。
  • 人事案提示直後、為替市場では円売りが進み、1ドル=156円台後半まで下落した。金利差拡大が意識され、日本円を売ってドルを買う動きが加速した形だ。
  • 円安は輸入物価の押し上げ要因となる。エネルギーや食料品などの輸入価格が円換算で上昇し、企業の仕入れコストを通じて消費者物価に波及する可能性が高い。
  • 株式市場では輸出企業の採算改善期待から株価が上昇したが、その裏側では家計の実質購買力低下という副作用がある。賃金上昇が物価上昇に追いつかなければ、実質賃金は再び圧迫される。
  • 識者からは「利上げのハードルが高まり、円安基調が固定化する恐れがある」「金融と財政の同時拡張はインフレ圧力を強めかねない」との指摘も出ている。

今回の人事は、市場に対して緩和継続のシグナルを明確に送った。その結果として進んだ円安は、株価上昇という短期的な追い風をもたらす一方で、輸入インフレを通じて国民生活を直撃する可能性がある。今回明らかになった日銀人事の方向性で、さらなる円安と物価高を通じて家計は疲弊しつづけるのだろうか。

会談する日銀・植田総裁と高市首相 2026年2月16日 首相官邸HPより

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