ポイ活をやらない人が「自由」を手にできる理由

内藤 忍

人生において時間はお金と並ぶ「有限なリソース」です。

最近「ポイ活」がブームのようです。ポイ活とはポイントをせっせと集めて生活資金の足しにしようとする活動のことを指します。

しかし私の周りにいる、いわゆる「仕事ができる人」や「圧倒的な成果を出している投資家」でポイ活に励んでいる人はまず見かけません。

その理由は単なる好き嫌いの問題ではなく合理的なものです。

まず根本的な問題として、ポイ活には時間と手間がかかります。ポイ活に勤しむ人には「時間単価」という概念を持つ必要があります。

数円、数十円のポイントを得るために、わざわざ特定のアプリを開き、広告を眺め、アンケートに答える。時給換算すれば時間が勿体ないことに気づくでしょう。

仕事ができる人は、自分の得意な仕事に集中させることで同じ時間の稼ぎをその数十倍、数百倍にすることができます。

仕事が出来る人にとって時給数千円の作業にリソースを割くのは「機会損失」なのです。

さらに重要なのは、人間が1日に使える「決断のエネルギー」には限りがあるということです。どの店が一番ポイントが貯まるか、キャンペーンの条件を満たしているか、といった些末なことに脳のリソースを使うのは勿体ない。

仕事ができる人はこうした「小さな決断」を減らし、仕事や資産運用の大きな判断にエネルギーを集中させます。

重視するのは、「支出を数円削ること」ではなく「収入を数桁増やすこと」です。

スマホをポチポチして小銭を拾い集める暇があるなら、読書をして知見を広げ、信頼できるパートナーと食事をし、質の高い投資案件を吟味することに時間を使うのです。

といってもポイ活で得られるような「お得」を諦めているのではありません。高還元のメインカード1枚に決済を集中させるといった「一度設定すれば考えなくて済む仕組み」を作って、あとはそのまま使っているだけで良いのです。

そもそもポイントとは企業側が仕掛けたマーケティング施策です。ポイントを貯めるために不要な買い物をしたり、修行と称して意味の無い宿泊予約を入れる。これらの行動は自らの自由な選択を制限されているのと同じです。

人生とは「どこにレバレッジをかけるか」のゲームとも言えます。自分の時間を時給の低い作業に投じているということは、自分自身に「私の時間はその程度の価値です」という思い込みを植え付けているのと同じです。

目先の「数ポイント」を拾うために下を向いて歩くのではなく、前を向いて「大きなチャンス」を掴むための準備をする。その姿勢の差が、数年後の圧倒的な資産の差となって現れるのです。

「ポイ活はお得」という甘い言葉に惑わされず、自分の価値を最大化する時間の使い方を選びたいものです。

Luke Chan/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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