イスラエル首相「悪しき体制の終焉は運命」としてイラン攻撃を正当化

イスラエルのネタニヤフ首相は、国民向け演説で、イスラエルとアメリカが共同で開始した対イラン軍事作戦「ロアリング・ライオン作戦」について、その目的と正当性を強く訴えた。首相は本作戦を、イランの核・ミサイル開発という「存亡の脅威」を取り除くための不可避の行動であると位置づけている。

演説によれば、イスラエル国防軍(IDF)は現在、イラン革命防衛隊関連施設や弾道ミサイル拠点を、アメリカ合衆国と連携して攻撃しており、作戦は「必要な限り継続される」という。ネタニヤフ首相は、1979年の革命以降、イラン体制が一貫して「イスラエルとアメリカの抹殺」を公言し、地域全体にテロと不安定化を拡散してきたと批判した。

特に首相が強調したのは、イランが核兵器と数万発規模のミサイル開発に莫大な資源を投入してきた点である。さらに、ガザ、レバノン、シリア、イラク、イエメンなどの武装勢力を支援し、「イスラエルの血を流してきた」と述べ、イランを地域紛争の中心的加害者として描写した。

また、演説ではイラン国内情勢にも言及がなされた。首相は、前月に発生したとされる大規模弾圧を取り上げ、自由と尊厳を求めた市民に対し、体制が多数の死者と逮捕者を出したと非難した。これをもって、イラン政権の「本質的な暴力性」が改めて露呈したと主張している。

ネタニヤフ首相は、過去の軍事行動「ドッグス・オブ・ウォー作戦」によってイランとその代理勢力に打撃を与えたものの、イラン側は地下施設を用いて核・ミサイル能力の再建を進めていると警告した。外交交渉についても、「時間稼ぎにすぎない虚偽の交渉」であり、もはや抑止にはならないと断じている。

今回の作戦が、前回を上回る規模と位置づけられている点も注目される。首相は、ドナルド・トランプ大統領の指導の下で、米国と完全に協調して行動していることを強調し、イラン体制に「強烈な打撃」を与えると述べた。その一方で、政権転換は直接の目的ではないとしつつも、「結果として起こり得る」と含みを持たせた表現を用いている。

演説の後半では、イラン国民に向けた呼びかけがなされた。首相は「敵はイラン国民ではなく、支配する宗教独裁体制だ」と述べ、武器を置く者には安全と将来が保証されると訴えた。これは軍事行動と同時に、体制内部の動揺と離反を促す心理的メッセージといえる。

最後にネタニヤフ首相は、ユダヤ教の祭りプリム(プーリーム)に言及し、古代ペルシャでの救済譚になぞらえながら、「悪しき体制の終焉は運命づけられている」と語った。この宗教的・歴史的比喩は、国民の結束を促す象徴的な締めくくりとなった。

今回の演説は、軍事行動を単なる安全保障措置としてではなく、「自由と秩序を守るための歴史的使命」として位置づける点に特徴がある。

トランプ大統領、ネタニヤフ首相、ハメネイ師

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