日本のYoutubeのコマーシャルに恵まれない家庭に愛の手を差し伸べてほしいと延々と訴えるものがなぜか頻繁に入り込みます。日本で潜在的に恵まれない人である相対的貧困率は15.4%です。人数にしてざっと2000万人です。この貧困の収入ラインは年収127万円ですが、これは極端に低く、それこそ住むところすらない状態でありましょう。その次が低位中間層で年収200-400万円です。一人暮らしでも厳しいですが、これで家族を養うのは確かに困難と言わざるを得ません。

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私が着目しているのは潜在的貧困層です。家族で生活をしているけれど実態は家族関係になく、主な収入を稼ぐ世帯主へのパラサイト型家庭です。「別れたいけれど別れられない」という家庭は相当数あると思われますが、実数はわかりません。
この場合、仮面夫婦や仮面家族ですから他人の収入に依存する消費意欲は旺盛であり、夫婦協調してお金を貯めて将来を築くという具合にならず、目先の満足のために条件反射的な消費に走るケースが多くなります。また収入層が低い層ほど給与日に一気にお金を浪費するケースが見られ、給料日前になるとかなり厳しい生活になったり、それこそ高金利のローンに手を出したりすることもあるのです。
北米では給与支払い頻度に日払い、週払い、隔週払い、月払いなどに分かれていますが、その背景は給与をもらう人が次の給与日までお金の管理が出来るかどうかの指針がベースで生まれたものであり、支払いサイクルが短いほど基本的には低収入層の方の傾向が見られます。
私が見ている限り、お金がない人ほど浪費癖が強いと思います。わかりやすい例でいうとレストランや飲食店で一番高いものを何の躊躇もなく頼んでしまう人がいます。なぜ、と聞けば「おいしそうだから」でありそこに自分のお財布との相談はなく、ほぼ条件反射的な浪費が繰り返されるのです。
この日本において貧困層が15%もいるという現実がにわかに信じがたく、想像するに個人のマネーの管理次第でその貧困率は相当良化させることができると考えています。そのためには何をすべきか、思いつくところを書き出してみましょう。
① マネーの教育 日本が30年以上低金利時代とデフレ社会だったため、多くの人がインフレと金利がある社会を知らないのです。この逆転された社会を乗り越えるためには本来であればもっと前からマネー教育をしていればよかったのですが、それがなかったことが悔やまれます。
② 欲望の制御 本来、お金がなければ欲望を満たすことができません。が、そういう人によく見られるのが「他人からの収入」であります。特に女性にその手口に乗ってしまう人が多く、騙されて人生を棒に振ったり、明らかに間違った道に迷い込んでしまう人が多いのは残念なことです。また、若年層にもその傾向が見られるのは学校生活が「比較社会」だからではないでしょうか?つまりクラスメートは本来同一土台の社会ですが、その中で消費に関して一歩先んじた人がいれば私も負けたくないという競争社会が生まれやすいものです。これが欲望の暴走であり、誤った道に入り込むケースであります。
③ 教育の優勝劣敗 高校を終える段階で優勝劣敗が決まります。大学に行くのが半分。同じ大学でも名の知れたところに行く人もいれば無名大学もあるし、女子の場合は短大もあります。大学に行けない人の中には経済的理由と能力的理由に分かれるかもしれません。どちらにしろ、劣等感といわなくても「諦め」のマインドが醸成されてしまい、社会に対して受け身になり、自分から立ち上がる術が十分に育たなくなっている人が多いと思います。特にマネーについては「俺、そういうのだめだから」と振り向きもしない人がいるのは事実です。
個人的には貧困率を下げるには中学高校における教育の在り方の見直しが重要だと思うのです。受験のための教育プログラムから人間の質を向上させるプログラムを導入し、学力的についていけない人でも生活向上できるような手厚い別プログラムを作るべきだと思うのです。大人になって実際に貧困層になってしまった方々を上のステージに引き上げるのは至難の業ですが、中高校生時代にそこに入り込まないよう教育することは可能だと思います。
残念なことに教育ほど硬直的、かつ時代対応ができない分野も少ないと思います。教育そのものが重層的でヒエラルキーの塊のような社会において教員がその枠組みから抜けられず、教員の素質そのものが十分に伸ばせていない現実もまた改善していかねばならないでしょう。
私はカナダに住んでいて貧困とそうではない人をじっくり見ることができますが、教育がその基本中の基本であることは断言できます。とすればOECD38か国中31位とか、G7で最悪の貧困率で、最もひどい格差社会と言われる現状の理由を教育プログラムに見出すことは可能かと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月8日の記事より転載させていただきました。






コメント
日本の武道には「心技体」という概念が存在して、
心というものもきちんと育てないと育たないのかなと思います。
単に心と言っても抽象的ですが、私の言っている心はおおよそ以下のようなものです
1.意思決定
生活の中で建設的に決断する能力。
2.問題解決
生活の中で起こる問題を建設的に解決する能力。特にメンタルストレスとの向き合い方が大きな課題となっている。
3.批判的思考
情報を分析し、客観的に判断する能力。
4.クリエイティブ思考
意思決定と問題解決を、どのように実行するのか、代替案や行動、無行動を考える能力。
5.コミュニケーション
文化やシチュエーションに適応した形で、自分の気持ちを言語や非言語で表現する能力。
6.対人関係
ポジティブな人間関係を構築する能力。
7.自己認識
自分自身の性格、長所・短所、願望や望まないことを認識する能力。
8.共感性
他者の生活や気持ち、自分の行動によって他者がどのように思うかなどを想像する能力。
9.ストレスとの向き合い方
日常生活のストレスを認識し、それがどのように自分に影響するのか、コントロールの仕方を得る能力。
10.感情との向き合い方
自分や他者の感情がどのように行動に影響するかを認識し、適切に感情に応えられる能力。
まあwhoのライフスキルなんですけどね。