選挙の盛り上がりがピークだったのでしょうか?あるいは一方的な選挙結果に、政治の議論をあきらめたのでしょうか?あるいはイランの戦争が起きたことで報道が連日、戦争関連の話題ばかりで政治の話が全く目立たなくなっただけなのでしょうか?
先日、ふとどこかで耳にしたのが「高市氏も苦戦している」という話。与党が絶対多数なのに冴えわたっているとは言えない高市采配に離反するのではないかという声は少しずつ大きくなっているのでしょうか?もちろん、発言者のポジショントークもあるわけで、高市氏の支持層と反支持層はトランプ氏のそれに似たところすらあります。そして高市氏とトランプ氏の両名に共通するのは共に独断的であり、あまり人に相談せずに決める点でしょうか?

高市首相 首相官邸HPより
本ブログが公開される13日に衆議院の予算委員会では26年度予算案を本議会に上程する見込みですが、野党は坂本哲志委員長の解任動議を展開します。もちろん、解任はされず、「職権」で本案件は少数与党の参議院に行くのでしょう。高市氏が年度内成立にこだわるのは個人的にはあのタイミングで選挙をやって国政に遅れが出ると批判されるのを交わしたいという気持ちではないかと察しています。個人的には、何故もっとドンと構えないのかよくわかりません。選挙をやって大勝したのなら別に年度内に予算が成立しなくても「思惑通りに動くからじたばたするな」ぐらいの強気になればよいのに妙に小心で繊細なところを見せています。
もう1つが荒れる消費税減税にかかる国民会議の行方。今、その会議は展開していますが、各党バラバラの意見で収拾がつかず、議長の小野寺五典税調会長の手腕次第という感じです。こちらはもう少し議論の時間があるのですが、各参加者が殆ど妥協しない言いたい放題となればとりまとめも苦戦するのでしょう。そもそも給付付き減税への移行期間である2年間を消費税減税という手段で「つなぎ」とすることに無理があるように思えるのです。消費税は部分的かつ暫定的に上げたり下げたりできるような税体系ではないので、それを政争の具やら政権運営の具に使われては困るのです。個人的には国民会議で移行期間が必要なのか、必要ならばほかに代案がないのか、もう少し原点に戻って議論をすべきであって、一旦消費税減税の話はサイドラインに置くぐらいの采配が必要だと思います。
政治の話題が盛り上がらないもう一つの懸念は大臣の声が全く聞こえなくなってきたことであります。石破さんの時代までは各大臣からそれなりに活躍ぶりの声が聞こえてきたものですが、高市政権になってから大臣の名前を忘れそうになるほど存在感が無くなっているのです。何故か?たぶん、1つには高市氏と閣僚との「日本的コミュニケーション」が欠落していること、2つ目に仕事を任せていないのではないか、あるいは指示が細かく、実質的に各大臣の素養を生かすよりも駒にしてしまっているように見えるのです。これは政権運営にとって懸案となることでしょう。
先日聞いていたポッドキャストでは高市政権は1年しか持たないと断言されていました。私はその主張に対する議論よりもそのようなことを憚ることなく公言する人が現れたことにやや驚きを感じています。
お前はどうなのか、と言われると私は例の中国の件に不満を持っています。岡田氏との議論で思わず言ってしまったあの発言以降、首相はだんまりを決め込んでいます。ですが、それ以降、様々な日中の関係が止まっていることも事実なのです。(いいじゃないか、という声は実務レベルとしてはサイドラインに置きます。)「日本側の対話の窓口は開いている」というのは正しい戦略ではないと思います。一旦口火を切った議論なら徹底的にやり取りをして双方で落としどころを決めなければ何時まで経ってもこの火種は残るのです。中国は特に「恨みの社会」ですから何十年と言い続けることになるでしょう。その軌道修正は積極的に図るべきだと思います。
もう一つ、アメリカ追随型へのリスクです。最近とみに言われているのがトランプ氏の発言のブレ。最近はその発言報道を見ても価値がほとんどないのでスルーしています。一方、アメリカと仲の良い国はそのグルである、という発想が反米派にないわけではありません。もちろん、例えば日本とイランは友好的で信頼関係があるので日本が攻撃対象になるとは思いませんが、日本は本当にアメリカ追随型でよいのか、改めて考えさせられるのであります。
アメリカから防衛装備品を買うと言っても前払いにもかかわらず、納期は気まぐれです。確か日本は既に1兆円以上前払いしていますが、その装備品の一部は5年以上納入されていません。理由はあちらこちらで使っており、生産が間に合わないためです。今回イラン戦争で払底したため国内在庫の積み上げが優先されるため当面は期待薄であります。もちろん品目にもよるわけで全部が全部ではないのですが、アメリカでは装備品を作るのに異様な時間とコストがかかるのです。日本で戦車を作れば納期は半分とされ、日本の軍事装備品の輸出が解禁になれば日本は大軍事産業国家になれるのではないかとすら思うのです。
そのトランプ氏との会合を19日に控えた高市首相ですが、今になってご本人は行きたくないのではないか、と勘繰っています。理由は今、行けばイラン問題の真っただ中で、当初想定もしていなかったアメリカからの要請がないとは言えず、「非常に高くつく会談」になる公算があるからです。今回の会談の当初の期待はトランプ氏が31日から訪問する中国での習近平氏との会談において日中関係のコミュニケーションライン修復のお膳立てをお願いするはずでした。これは11月のAPECが中国での開催になるため、そこで習氏と気まずい思いをしたくないので調整してもらうという段取りでした。今の時点ではトランプ氏が習氏とおまけ話に近いこの話題を展開できるかどうかすら予想で出来ない事態であります。
表題の「話題に上がらなくなった日本の政治話」ですが、ようは与党がここまで支配すると政治が議論の場にならなくなったことで面白みが無くなったと言えます。こんな政治に誰がした、と聞かれたら野田さんじゃないか、と私は思っています。とにかく、議論なくして政治なし、政治無くして議論なし、であり、世の中の声を誰がどう受け止めるか、そこが欠落しつつあるというのが私の今の懸念であります。
高市氏の世論調査の支持率は相変わらず高いのですが、薄氷を滑るスケーターでなければよいと思っています。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月13日の記事より転載させていただきました。







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