イランによるホルムズ海峡の事実上封鎖を受け、原油価格が高騰するなか、日米首脳会談で大きな合意が生まれようとしています。
読売新聞によれば、日本側の投資で米国産原油を増産し、増産分を日本で共同備蓄する——というものです。投資先はアラスカ油田が有力とされています。
率直に言って、これは悪くありません。

高市首相 首相官邸HPより
調達先多角化という「当たり前」をようやく実現
日本は原油の約9割を中東に依存しています。ホルムズ海峡が封鎖されれば、日本経済は文字通り窒息しかねません。長年指摘され続けてきた急所です。
アラスカ産は太平洋ルートのみで完結し、輸送時間も中東より1週間近く短縮できます。米国にとっては安定需要の確保、日本にとっては調達先の多角化——Win-Winの構造は明快でしょう。
本当の注目点は「自衛隊派遣を回避できるか」
ただ、私がより注目するのはエネルギーの話ではありません。
この合意が、ホルムズ海峡への自衛隊派遣論議を封じ込められるかどうか——ここが核心だと思っています。
ホルムズが封鎖された場合に自衛隊を出すべきか。憲法的制約、国会承認、そして「戦闘地域への派遣」への国民的拒絶感——これを乗り越えるコストは計り知れません。
共同備蓄が機能し、有事に放出を受けられる仕組みが整えば、「軍事によらないエネルギー安保」の選択肢がひとつ増えます。それは決して小さくないはずです。
「及第点」であって「満点」ではない
もちろん課題はあります。投資額・備蓄規模はまだ「今後詰める」段階であり、中東9割依存の構造は一朝一夕には変わりません。
それでも——外交的手段で安保リスクを一段引き下げ、憲法論議を不要にする可能性があるなら、評価してよい場面でしょう。
絵に描いた餅にならないよう、具体的な数字の詰めを引き続き注視していきたいと思います。
編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年3月17日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。







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