佐柳島・空飛ぶ猫に会いに来たけれど

「知ってます?佐柳島って空を飛ぶ猫が撮れるんですよ!」

2年ほど前、旅仲間の友人からそんな情報を聞きつけました。

福岡県の相島や岡山県の真鍋島など、猫の多い離島は多くあり、これらの島に猫の写真を撮りに行っていた私。香川県の瀬戸内海に浮かぶ佐柳島は、これらの島よりももっと猫の数が多いということを聞き、これは是非行ってみたいと思いました。そして気になるのは「空飛ぶ猫」。

飛んでる!

佐柳島は東岸に集落があり、その岸壁に堤防が築かれていますが、ところどころ切れ目があります。そこを猫がひょいひょいと飛ぶので、その瞬間を狙って写真に収めるのです。日本広しといえどもこんな写真が撮れるのは佐柳島だけ。それも聞くところによるとかなりいっぱい飛んでくれたとのこと。これは是非行きたい!

というわけで香川県の多度津駅に来ました。佐柳島に向かう船が出る多度津港はここから20分ほど歩いたところにあります。

多度津港。

佐柳島は人口60人ほどのとても小さな島なので船の便数も限られています。今回私が乗るのは14:00の便。14:50に本浦(ほんうら)港に着き、17:10に戻る行程です。利用しやすい時間で、島の滞在時間を考えるとこれが一番妥当な行程かなと思います。

人口の少ない離島なので船も相当小さいのかと思いきや、車も積めるフェリーが停泊していました。車が走れない離島も少なくない中、佐柳島は道路は少ないですが車は走ることができるようです。

14:00多度津港を出航。煌めく瀬戸内海を眺めながら50分船に揺られて佐柳島に到着です。

わたしたちを乗せてくれた「なぎさ2」が去っていきます。17:00過ぎまで船は来ません。佐柳島は店舗と呼ばれるようなものはほとんどなく、ただひたすら外で猫と島時間を過ごすことになります。この日は穏やかな春らしい暖かな天気でしたが、灼熱の陽射しが照り付ける真夏や、雨の日の訪問は考えた方がいいかもしれません。

島の中部に1軒だけあるホテル&カフェの前、二宮尊徳像の台だけ残ります。
先生本人はいずこへ…?

そんなことを考えながら少し港を離れたところで第一猫発見!このあとも探す必要がないくらい猫が道路を散歩しています。

道路を歩く猫、塀の上で昼寝する猫、道端でゴロゴロする猫、じゃれあう猫。みんな勝手気ままな島時間を過ごしています。餌をあげている人も多くおり、それを食べる猫もいますが、もらい過ぎているのかそこまで食いつきがいいわけではありません。欲しかったら食べる。そんな感じです。

さて、お目当ての「堤防を飛ぶ猫」の撮影をしたく、堤防付近を中心に散歩します。ですが、堤防を飛ぶ猫はおろか、堤防を歩いている猫、堤防に近づく猫もそんなにおおくありません。道路や近くの神社などでゴロゴロしています。

と、1匹の猫が堤防に近づいていきました。お、なんか登りそう。

登った!さぁ、堤防の切れ目まで歩いていってくれたまえ、そして、華麗なジャンプを見せてくれたまえ!

……

………

寝ました。

潮風がきっと心地よかったんでしょう。残念です。

堤防に登った第2猫発見!渋い感じの黒猫。さぁ、熟練の技で堤防を飛ぶ姿を見せておくれ!

砂浜の方へ去っていきました。

しばらく堤防の切れ目の前で張っていましたが、その前を素通りする猫ばかりで飛ぶ姿をみることはできませんでした。猫は気まぐれ。思い通りにはいかないですね。

猫と触れ合うか、海を眺めることしかできない島時間。ともすれば退屈に感じがちですが、忙しない日々から解放される、こんな時間も必要だな、と思いました。愛嬌を振りまいてくれる猫たちに心癒されているうちに早くも17:00船の時間が近づいてきました。

空飛ぶ猫は撮ることができなかったけど、想像以上に多くの猫と出会い心癒された時間でした。夏は暑いし冬のこの時間はもう真っ暗。来るタイミングが難しい島ですが、絶対また来て堤防を飛ぶ「空飛ぶ猫」をカメラに収めたいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。

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