生活保護なら体外受精が無料 外国籍の若者が最初から希望してくる現実 医師「やり切れない理不尽さ」

外国人の生活保護受給者が、体外受精などの高額不妊治療を無料で受けているのではないか——そんな問題提起がYahooニュースで大きな反響を呼んでいます。
何が起きているのか?
菅政権時代に実現した「不妊治療の保険適用」は、これまで高額だった治療費の負担を大きく引き下げた、前向きな政策変更でした。

妊娠を望む夫婦には必要な施策だった seven/iStock 写真はイメージ
43歳までという年齢制限はあるものの、3割負担で体外受精などが受けられるようになったことは、多くのカップルにとって朗報だったと思います。
ところが、この制度変更が思わぬ「抜け穴」を生み出している可能性があります。
生活保護受給者は、保険診療については医療費が全額無償となります。不妊治療が保険診療に移行したことで、生活保護を受給していれば体外受精も含めて無料で受けられることになったわけです。
数十万円規模になることもある高額治療が、自己負担ゼロで受けられる——これが今回の問題の核心です。
外国人への生活保護適用という論点
さらにここに「外国人」という問題が加わります。
実は、生活保護法の条文には外国人を対象とする明確な規定はありません。
現在の運用は、厚生労働省が人道上の観点から各自治体に通達を出したことによるもので、法律に基づく明確な制度設計を経たものではありません。
この点は、わが党の柳ヶ瀬裕文・元参議院議員などが国会でも長らく問題提起してきた事項です。
私は「外国人には生活保護を与えるべきでない」という立場ではありません。先進諸国の動向に倣い、人道上の観点から一定の支援を行うことは必要です。
ただ、それはきちんと国会で議論し、法律として明文化すべきものだと考えます。通達1枚で「なし崩し的に」運用されている現状は、制度として脆弱です。
生活保護世帯への医療費完全無償化、本当に持続可能か
今回の問題の根底にあるのは、外国人の問題だけではありません。
私が政調会長時代にまとめた医療制度改革パッケージ「医療維新」でも指摘しましたが、生活保護世帯への医療費完全無償化はモラルハザードを生みやすい構造です。
現状では、生活保護の生活扶助と医療扶助がほぼ同額規模になっているケースもあります。
せめてワンコイン(500円程度)の自己負担を導入することで、過剰な受診や薬の転売といった問題を抑制できるのではないか——
これは以前から提案してきた考え方です。もちろん難病や重篤な疾患を抱えている方への配慮は必要ですが、それでも制度全体の持続可能性を真剣に議論すべき時期に来ています。
2つの論点を整理する
今回の問題は、以下の2段階で考える必要があります。
① 日本人の生活保護受給者に対する医療費無償化の範囲を見直すべきか
② 外国人にも同等のサービスを適用し続けることが適切か
外国人の生活保護受給者が全体に占める割合は決して高くなく、今回報じられたような不妊治療目的のケースもまだ件数は少ないかもしれません。
しかし制度の抜け穴は、放置すればじわじわと広がっていくものです。
現役世代の社会保険料負担が重くなるなか、こうした制度的矛盾への不満が積み重なれば、社会への信頼そのものが揺らいでいきます。
不満を「感情論」として処理するのではなく、制度の課題として正面から取り上げていくことが政治の責任だと思います。
おわりに
外国人の方への生活保護適用については、法律で明文化したうえで日本人とは一定の差異を設けることも含めて、改めて議論の俎上に載せるべきです。
そして生活保護世帯への医療費完全無償化についても、持続可能な制度設計という観点から見直しの検討を進めていく必要があります。
「小さな医療」「医療費の適正化」は、維新が一貫して訴えてきた政策の柱のひとつです。
今回の報道をひとつのきっかけとして、社会全体でこの問題を考えていただければ幸いです。
編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年4月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。







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