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この記事では、家計の支払利子について国際比較をご紹介します。
1. 家計の支払利子とは?
財産所得は、資産運用から得られる収益です。預金からの受取利子や、株式投資からの配当などが該当します。

図1 財産所得 日本 家計
国民経済計算より
日本の家計の財産所得は、1990年代をピークにして減少し、停滞傾向が続いています。その中で、かつては利子の存在感が非常に大きかったわけですが、近年ではかなり低下しているようです。
利子は、預金の利息など受取る分もありますが、住宅ローンなどに関連して支払う分もありますね。
かつては年間に25兆円もの利子を家計が支払っていたわけですが、近年では1兆円程度と非常に少ない状況です。

図2 資金循環 家計 年度
資金循環統計より
家計の現金・預金はバブル崩壊後も拡大しています。
一方で、負債のうち借入(貸出)は当時からは停滞が続いています。
少なくとも、預金や借入金は減ってはいないはずですが、利子は受取も支払も大きく減ってきたことになります。
その分金利が引き下がってきたことがわかりますね。
今回はこの支払利子について国際比較してみましょう。
2. 1人あたりの推移
まずは、家計の支払利子について、1人あたりの推移から見ていきましょう。

図3 財産所得 利子 支払 家計 1人あたり
OECD Data Explorerより
図3が家計の支払利子について、人口1人あたりのドル換算値を計算したものです。
国際的に見た平均的な金額水準となります。
日本はバブル期にかなり高い水準に達しますが、その後は、大きく低下して主要先進国の中でも低い水準が続いています。
やはりアメリカが圧倒的ですが、イギリスも相応の水準に達していた事が特徴的ですね。どちらもリーマンショックで大きく減少しています。
預金が減った事もあるのかもしれませんが、金利が大きく引き下がったのかもしれませんね。
フランスやイタリアも同様にリーマンショックに向けて急激に立ち上がり、リーマンショック後は大きく減少している事が確認できます。
リーマンショックによって、家計の支払利子にも大きく影響が出たことが読み取れます。
3. 1人あたりの国際比較
続いて、1人あたりの水準について、より広い幅で国際比較してみましょう。

図4 財産所得 利子 支払 家計 1人あたり 2023年
OECD Data Explorerより
図4が家計の支払利子について、人口1人あたりのドル換算値を国際比較したものです。
日本は47ドルと、先進国で最も低い水準となっています。
アメリカは約100倍、ドイツは約10倍という状況ですね。
いかに日本の低金利な状況が特殊かがわかります。
4. 対GDP比の推移
つづいて、家計の支払利子について対GDP比の比較もしていきましょう。

図5 財産所得 利子 支払 家計 対GDP比
OECD Data Explorerより
家計の支払利子について対GDP比を計算してみても、日本の低水準がよくわかります。
アメリカも含めてリーマンショック以降は各国で低下傾向が続いていましたが、2022年以降では日本以外では急激に上昇しています。
日本は2024年のデータはありませんが、このところ金利上昇の報道も増えていますので、今後変化していくかもしれませんね。
5. 対GDP比の国際比較
最後に対GDP比の国際比較です。

図6 財産所得 利子 支払 家計 対GDP比 2023年
OECD Data Explorerより
図6が家計の支払利子 対GDP比について、OECD30か国の国際比較です。
日本は0.1%で、先進国の中でも最低水準ということになります。
日本は金利が低い事もあり、家計の受取利子も、支払利子も先進国最低水準ということになります。
一方で、アメリカやイギリスは非常に高い水準となっています。借入が多い事もあると思いますが、それだけ金利が高い事が窺えますね。
6. 家計の支払利子の特徴
この記事では、家計の財産所得のうち支払利子の国際比較についてご紹介しました。
日本はバブル期には受取も支払も非常に高い水準に達していましたが、バブル崩壊後はかなり少なくなっているようです。

図7 家計 負債 1人あたり
OECD.Statより
日本の家計の負債(ほとんどが住宅ローンなどの借入)は近年ではドイツやフランスと同程度です。
借入自体が極端に少ないというわけではなさそうです。
財産所得から得られる収益や負担については、他国と日本ではかなり傾向が異なる事が読み取れますね。
今後は日本でも金利が上昇していくと言われています。
日本の家計は、世界有数の預金残高に達していますので、これからの推移にも注目していきたいですね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年4月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。







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