ネット時代の国政選挙:紙投票の限界を政治家はどう見る

山田 肇

bizoo_n/iStock

2026年2月の衆議院議員選挙では事務的なミスが数多く報告された。

ネットで目に付いた事務的ミスをいくつか並べたが、これらがすべてではなく他にも発生していたと容易に推測できる。

開票事務は選管職員の負担で、過労死を招く恐れがある。「選管職員の残業、最長244時間 過労死ライン超」という記事が東京新聞に出た。「平均残業時間が167時間に 埼玉県選挙管理委員会の職員」という埼玉新聞の記事もあった。

さらには、「期日前投票でなりすまし可能」という懸念も広がった。警察庁によれば、買収や「なりすまし」などで、全国で37人が検挙されたそうだ。

投票用紙の交付ミスが続き、開票事務は職員に過剰な負担を強いている。本人確認が不十分で「なりすまし投票」も起きる。100年以上にわたる紙による投票は、完璧な方法ではない。

ネットを活用すれば、選挙の方法を抜本的に改革できるのではないか。そんな問題意識で、情報通信政策フォーラム(ICPF)が3月末にセミナーを開催した。その様子はICPFサイトで公開している

投票所入場券による本人確認はなりすましを防げないなど、紙投票にはミスや不正が生じるリスクがあるが、社会的には許容されている。それをネット投票に切り替えようとするとゼロリスクを求める風潮があるが、明らかに要求過剰である。

ネットを利用した公職選挙にも確かに課題はあるが、現行制度と比較考量したうえで政治的に決断するように求めたい。これが、セミナーの結論であった。

公職選挙法は、議員の身分に直接かかわるために、議員立法で改正されてきた。それでは政治家は自ら決断して法を改正できるだろうか。それには政治家の声を聴くのが一番である。

ICPFで声がけしたところ、自由民主党、チーム未来、日本維新の会、中道改革連合より四人の政治家がセミナーに参加してくれることになった。連休中ではあるが、4月30日に開催するセミナーに皆様も参加し、政治家からの意見表明を聞いていただきたい。

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