医療費の窓口負担を(年齢を問わず)原則3割負担化すべきだという財務省の資料が話題を呼んでいます。3割負担という言葉が出てきたのは初めてではないが、その「実現に向けた具体的な道筋を明確に示すべき」と提言したのは、役所としては踏み込んだ表現です。

財務省が財政制度審議会に提出した資料
3割負担で10兆円の「仕送り」が減らせる
財務省には窓口負担を決める権限はないが、医療保険に投入されている公費負担を減らすことはできます。保険加入者にとっても、健保組合が保険料の半分近い約10兆円を老人医療に強制的に仕送りさせられているのは違法状態であり、早急に是正すべきです。

保険医療費の「仕送り」(財制審の資料)
ところが世の中にはこの財政状況を理解しないで「3割負担にしても保険料は減らせない」という人がいるので、チャットGPTに聞いてみました。
Q. 一律3割負担にしたら現役世代の負担は減らせますか?
はい、減らせます。この図の前提を使ったラフな試算では、現役世代から高齢者への「仕送り」(10.4兆円)は約3兆円減らせると見積もるのが妥当です。
■現状の「仕送り」規模:前期高齢者・後期高齢者への拠出= 合計10.4兆円
- 後期支援金:6.7兆円
- 前期調整額:3.7兆円
■窓口負担の現状:前期高齢者・後期高齢者医療費は約25兆円
高齢者の窓口負担は多くが 1割(現役並み所得でも2〜3割)
→3割負担にすると、患者負担は約15%ポイント増える
→保険医療費25兆円は3.75兆円減らせる
■高額療養費制度や低所得者軽減措置などを考慮すると、現実的な削減幅はこれより小さいが、需要抑制効果が10~20%あると見込まれます。
→おおむね3兆円は削減できます。
Q. 現役世代の負担はひとり当たりいくら減らせますか?
現役世代からの「仕送り」の総額は10.4兆円なので、その30%を減らすことができますが、仕送りをなくすことはできません。
協会けんぽと健保組合と共済組合の加入者は合計7745万人なので、これで負担減3兆円を割ると、1人あたり年間3.8万円の負担減になります。
Q. 仕送りをなくすには何が必要ですか?
結論から言うと、いまの制度のままでは「仕送り」をゼロにすることはできません。なくすには、医療保険の設計を変える必要があります。
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仕送りをゼロにするには、次のいずれか(またはその組み合わせ)が必要です。
■窓口負担を一律5割にする:国民医療費54兆円のうち患者負担(平均約25%)をほぼ2倍の10兆円にする。
→5.2兆円の窓口負担が約5兆円増える。
■保険料を一律10%にする:窓口負担とともに保険料も年齢差別をなくし、高齢者の保険料も現役世代と同じ10%にする
→高齢者の所得は80~120兆円。その10%を徴収すると中央値で10兆円なので、保険料は約5兆円増える。
いずれも計算上は可能ですが、政治的には不可能でしょう。3割負担は小さな一歩ですが、これを踏み出さないと、何も改革できないのです。






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