敬老パスは高齢者の健康を増進し、医療費を抑制するか?

少子高齢化で現役世代の負担が限界を迎える中、敬老パスのような「高齢者優遇」のサービスは、しばしば削減議論のやり玉に挙がります。

「現役世代は高い運賃を払っているのに、なぜ高齢者だけが無料(格安)なのか」

この不満に対し、必ずと言っていいほど出される反論が「外出して健康になれば、将来の医療費負担が下がる」というロジックです。

Murasaki
Murasaki

んなワケねーだろ、ばぁか。

クソニートくん
クソニートくん

口悪っ!笑

一見、高齢者の幸福と財政の健全化を両立させる、完璧な解決策のように聞こえます。

しかし、この「美しい物語」は本当でしょうか。実はそれこそが、将来の財政をさらに圧迫する「死のポートフォリオの入れ替え」の始まりだとしたら?

善意というバイアスを捨て、データに基づいた冷徹な視点で、この問いの正体を解体します。

名古屋市の敬老パスの事例

敬老パスの有効性を語る際、最も有名な事例の一つが名古屋市です。

敬老パスの交付|名古屋市公式ウェブサイト
名古屋市公式ウェブサイト

年間約150億円という巨額の予算を投じている同市は、この政策にどれほどの「医療費抑制効果」があるかを長年調査してきました。

クソニートくん
クソニートくん

あ、ちゃんと調査されてるんだ。

Murasaki
Murasaki

そりゃあ税金使ってるんだから、効果ないことに垂れ流してたらマズいだろ。

しかし、その調査結果(2023年公表分など)が示す現実は、あまりにも冷酷です。

巨額の投資に対して、リターンはどれくらいか?

令和7年12月に発表された「敬老パスの制度調査業務委託報告書」からデータを紹介します。

敬老パスによって、利用者の1日あたりの歩数は1500歩増え、名古屋市全体で10億円の医療費削減効果があると推定されました。

令和8年度「名古屋市一般会計予算に関する説明書」の報告では、敬老パスの交付に126億円使っているので、名古屋市の敬老パス事業による投資利益率(ROI)は、-92.06%です。

クソニートくん
クソニートくん

ひでぇwww

Murasaki
Murasaki

こんなゴミ事業のために、労働者は負担させられてるんだ。
笑っちゃうよな。

ビジネスの世界でこれほどの大赤字プロジェクトがあれば、即座に打ち切りの対象になるでしょう。

自治体側は「経済波及効果」などの別の付加価値を主張しますが、少なくとも「医療費を削って社会保障を助ける」という目的においては、完全に失敗していると言わざるを得ません。

「死のポートフォリオ」を入れ替えているだけ?

なぜ、ここまでリターンが少ないのでしょうか。それは、冒頭でお話しした「死のポートフォリオの入れ替え」が起きているからです。

敬老パスで活動量が増えれば、確かに心筋梗塞などで「突然亡くなる」リスクは減るかもしれません。しかし、それは死を回避したのではなく、「より高額で長期的な死」へと、死因のポートフォリオを組み替えただけなのです。

心疾患という「比較的安価で早い死」を回避した結果、高齢者はより長生きし、最終的には認知症や寝たきりといった、高度な介護と長期的な医療を必要とするステージへと移行します。
つまり、現役時代からピンハネして浮かせたわずかな医療費は、その後の「生存期間の延長」に伴う莫大なコストによって、一瞬で食いつぶされてしまうのです。

…私の記事の読者は、ここまでの結果をもって

「敬老パスは、高齢者の健康を増進して医療費の削減に貢献してるんだ!」

とXで喚き散らかしている人に対して 画像付きで反論することができるでしょう。

クソニートくん
クソニートくん

でもこれって、あくまでも「名古屋市のケースでは大赤字」って言ってるだけでしょ?

Murasaki
Murasaki

いい反論だ。ここから先は、さらに抽象度を上げて解説のアクセルを踏んでいこう。

ここから先は、私の解説と暴言のアクセルをさらに踏み込んでいきます。

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編集部より:この記事はMurasaki@論文解説お兄さん氏のブログ「Quantum Gun」2026年3月12日のエントリーより転載させていただきました。

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