iPhone17値上げ…スマホは発売日が最安の時代

黒坂岳央です。

これまで「スマホや家電は待てばドンドン安くなる」という常識があった。半導体性能が向上し、価格競争やモデルチェンジで値下がりしていくのが普通だった。だが、その前提が大きく変化している。

アップルCEOのティム・クックが6月17日、ウォール・ストリート・ジャーナルに「値上げは避けられない」と公言した。

理由はAI企業によるデータセンター建設ラッシュが引き起こしたメモリ・ストレージの需給逼迫だ。「100年に一度の大洪水」とまで表現した。iPhone17が今月にも値上げされ、秋登場のiPhone18 Proは最高で1399ドルになるとの観測も出ている。

8thCreator/iStock

ガジェットや電気製品は発売日が一番安い

日本でのiPhone値上げは長らく「円安のせい」と説明できた。実際、ドル建て価格は据え置かれたまま、為替差で日本だけが割高になる構図だった。

だが今回、本家アメリカでも値上げが不可避になった時点で、もはや為替を言い訳にできない。半導体コストの構造変化が、グローバルな価格体系を書き換え始めた。この現象はすでに複数の製品カテゴリで起きている。

PCはシュリンクフレーションが進行中だ。価格は変わらないのにスペックが下がる。同じ金額でメモリスペックが落とされるなど、買えるものが劣化している。

筆者自身も昨年末、外付けSSDとHDDをまとめ買いしたが、現在それらは30%以上値上がりしている。当時「少し割高かもしれない」と思いながら買ったが、結果的にその判断が正解だった。

ゲーム機も同じだ。PlayStation 5は発売時54,978円だったものが現在97,980円、実に約4回の値上げで2倍近い価格になった。Nintendo Switch 2も49,980円から59,980円へ1万円値上げされたばかりである。「発売日に買った人が一番得をした」製品が着実に増えている。

値上げは今回だけでは終わらない

値上げの背景にあるのはAIインフラ投資の桁違いのスケールだ。OpenAI、Google、Meta、Microsoftといった企業が競い合うようにデータセンターを建設し、メモリとストレージを大量に買い占めている。この需要はAI開発が続く限り止まらない。

消費者向け機器メーカーは調達競争で後回しにされ、コスト上昇を吸収できなくなっている。サムスン、マイクロソフト、ソニー、デルはすでに値上げを実施した。アップルも粘っていたが、限界を迎えつつある。

「今は時期が悪い」は古い考え

これまでネットミームに「今は時期が悪い」というものがあった。しばらく待てば高性能新型が出るのでそれを買え、マイナーチェンジモデルが出るので、旧型を安く買えといったアドバイスだ。

しかし、これはデフレ経済の発想だ。今は完全に逆で「早くしろ。間に合わなくなっても知らんぞ」というインフレの発想に切り替える必要がある。

時期はまもなく7月、例年通りの動きなら後2か月でiPhone18の発表が期待される。「たった2か月で新型」というタイミングで17の値上げ発表は異例の事態といえる。iPhone18待ちをすると今よりさらに割高になる可能性がある。そうなると「iPhone18待ち」ではなく、「今すぐiPhone17」が正解かもしれない。

いずれにせよ、もう世の中は完全にトレンドが変わった。こうなると、「値下げを待ってから買う」から「発売日に買う」が正解になる。

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なめてくるバカを黙らせる技術」(著:黒坂岳央)

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働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。

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