黒坂岳央です。
筆者は週末になると子供を連れてイオンモールに出かける。そこではほぼ確実にウォーターサーバーの勧誘をやっている。イオンモールだけではない。近所のディスカウントストアにも出店しており、入口で熱心に勧誘をやっている。
結論からいう。店先で勧誘するウォーターサーバーは契約しない方がいいと自分は考える。筆者は日本全国、すべての契約内容を確認したわけではないし、中には本当に良心的なものもあるとは思う。だが、全体論的にあまり経済的合理性を期待できない構造になりやすい。
そして状況証拠がそれを物語っている。日本流通産業新聞が国民生活センターのデータを引用して取り上げているのだが、国民生活センターへの相談件数が過去10年で最多を更新した。
2023年度のウォーターサーバーに関するトラブル相談は約1,997〜1,999件、2024年度はさらに増加して2,776件を記録した。直近の数字は分からないが、多少増減しても「問題の出やすい商品」という本質は動かない。
イオンモールでウォーターサーバーを契約すると貧乏になりやすい。

そもそもウォーターサーバーは必要か
まずは前提そのものを疑うなら、大多数の家庭にとって、ウォーターサーバーは必要ない。
自分自身の話をする。以前はペットボトルの水を買っていたが、家に浄水器を導入してからその手間が完全になくなった。コストは買い切り、フィルター交換を含めても4年あたり約17000円、月換算で約350円と安い。カルキ臭のない、非常においしい水を楽しむことができる。
ウォーターサーバーの月額料金は一般的に5000円前後。5年間契約すれば総額30万円を超える。浄水器とは比較にならない価格だ。
「赤ちゃんのミルクに使うから必要」という声もある。しかしそれならミルクに使う分だけミネラルウォーターを1本ずつ買えば済む話だ。
そもそも、日本の水道水の品質は世界的に見ても高水準。少しでも気になるなら浄水器で対応できる。ウォーターサーバーは店舗やスクールなどに置くには有利でも、一般家庭にその経済的合理性は小さいだろう。
買うならネットで選べ
ウォーターサーバーが自分に必要だと判断した人向けの話をする。
ウォーターサーバー市場は現在、競争が激化している。ネット経由では価格比較サイトを通じて複数社を横断的に検討でき、契約条件も改善が進んでいる。同じウォーターサーバーでも、どこで契約するかによって条件は大きく変わる。筆者は水のセールスマンではないので、特定業者のおすすめはしないが、探せば非常に細かい条件で出てくる。
問題は店頭販売だ。イオンモールなどの催事スペースに出ている販売員は、出店費用、人件費、契約ごとの高額インセンティブというコストを抱えている。これらは最終的に月額料金と契約条件の中で回収される。消費者が払う金額に上乗せされているわけだ。
店頭販売が不利になる理由
店頭の販売員は当日の成約件数で評価される。
契約を急がせるインセンティブが販売員側にある以上、「今日だけのキャンペーン」「解約もいつでも簡単にできます」という説明になりやすい。
実際に国民生活センターに寄せられたトラブル事例では、口頭では「解約金なし」と説明されたにもかかわらず、契約書には5年以内の解約に高額な違約金が明記されていたケースがある。企業側の返答は「契約書に書いてある内容は説明した」というものだった。
また、別の事例では、既存契約者に対して「解約金はうちがキャッシュバックする」と言って乗り換えを迫り、後になってキャッシュバックは対象外だったと突っぱねるケースもあった。
「一部の悪質業者の問題」ではない。成果報酬型の即決営業というモデル自体が、こうした説明の乖離を構造的に生みやすい。
手口として典型的なのが時間的圧力だ。「30分後の新幹線に乗らないといけないので」と急かしてその場でサインさせる。冷静な判断を妨げるための意図的な演出だと理解しておくべきだ。
筆者自身、ハードセールス自体が苦手なので、そもそもこうした消耗するやり取りを敬遠してしまう。同じ感覚の人もいるのではないだろうか。頑張って乗り越えた先に大きな経済的合理性があればいいのだが、それが望み薄なら止めておいた方がいい。
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まず問うべきは「本当に必要か」だ。モールで声をかけられてその場で契約するという選択肢は、どう転んでも合理的にならない。衝動的に高額契約をする気質は貧しくなりやすい思考の典型パターンだ。
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