瀬戸内海を望む屋島。その歴史ある山の麓に、全国からうどん好きが足を運ぶ名店「わら家」があります。茅葺き屋根の古民家へ一歩足を踏み入れると、囲炉裏のある落ち着いた空間が迎えてくれます。どこか懐かしく、ゆったりと流れる時間。旅先だからこそ味わえる贅沢が、ここにはあります。

わら家といえば名物は釜あげうどん。大きな桶に入った熱々のうどんを、特製のつけだしでいただくスタイルは、多くの旅人を魅了してきましたが、一杯だけ選ぶなら、ぜひおすすめしたいのが「生醤油うどん」です。
麺そのもののおいしさを味わえる一杯
生醤油うどんは、とてもシンプルな一品です。茹で上がった麺に、大根おろし、ねぎ、生姜、かつお節を添え、生醤油をさっと回しかけるだけ。余計な味付けをしないからこそ、麺本来のおいしさを存分に楽しめます。
わら家の麺は、しっかりとしたコシがありながらも硬すぎず、噛むほどに小麦の甘みが広がります。つるりとしたのど越しも素晴らしく、一口食べれば讃岐うどんならではの魅力を実感できるでしょう。
運ばれてきた器には、艶やかに輝くうどん、大根おろし、刻みねぎ、生姜、かつお節。そこへ生醤油をひと回しかけ、さっと混ぜて口に運ぶ——。

その瞬間、小麦の豊かな香りがふわりと広がり、力強いコシとしなやかな弾力が心地よく伝わってきます。醤油は主役ではなく、麺の美味しさを引き立てる名脇役。素材の良さがそのまま味わえる、実にシンプルで贅沢な一杯です。
讃岐うどんの魅力は、だしの美味しさだけではありません。麺そのものの旨みを楽しめることこそ、本場ならではの醍醐味。だからこそ、生醤油という食べ方が、わら家の実力を最も感じさせてくれるのです。
古民家ならではの趣ある空間
わら家の魅力は、うどんだけではありません。店舗は江戸時代の茅葺き古民家を移築したもので、店内には囲炉裏があり、落ち着いた雰囲気が漂っています。屋島の自然や歴史を感じながらいただく一杯は、旅の思い出をより特別なものにしてくれるでしょう。

食後は、屋島寺や展望台へ足を延ばしてみましょう。源平合戦の舞台となった歴史ある地を歩けば、瀬戸内海に浮かぶ島々が織りなす美しい景色が広がります。
旅の景色を眺め、歴史に触れ、そして一杯のうどんで香川を味わう。屋島を訪れるなら、わら家の生醤油うどんは、その旅を締めくくる最高のごちそうになるはずです。







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