琉球新報が抗議船事故遺族の記者会見後に記者批判に対する法的措置を宣言

沖縄県名護市辺野古沖で起きた抗議船転覆事故をめぐり、琉球新報社の対応に批判が起きている。

事故で亡くなった同志社国際高校の武石知華さんの両親は7月30日、学校や船の運航関係者を刑事告訴した理由について記者会見を開いた。

その席で琉球新報の記者が、今回の問題によって「平和教育が萎縮するのではないか」という趣旨の質問をした。これに対し、SNSでは「子どもを亡くした両親に尋ねる質問ではない」「事故の安全管理より政治的な主張を優先している」と批判が広がった。

平和教育への影響を検証すること自体は、報道上のテーマになり得る。しかし、質問する相手は文部科学省や学校、教育委員会などである。事故の真相究明を求める遺族に、平和教育全体への影響まで語らせようとしたことには、強い違和感が残る。

批判の直後に「IPアドレス開示」

琉球新報社は翌31日、記者への誹謗中傷や名誉毀損、人権侵害に対し、プラットフォームへの通報やIPアドレスの開示請求、刑事・民事上の法的措置を取るとする声明を発表した。

記者個人への脅迫や個人情報の拡散、虚偽の投稿があるなら、会社が従業員を守るのは当然である。質問への批判と、違法な誹謗中傷は明確に区別しなければならない。

しかし、声明には、なぜ遺族にこの質問をしたのか、質問は適切だったのか、社内でどのように検証したのかという説明がない。批判が広がった直後に法的措置だけを強調したため、「批判封じではないか」と受け取られた。

報道機関自身にも説明責任がある

報道機関は日頃、政治家や企業、行政に説明責任を求めている。その原則は自社にも適用される。

琉球新報社がまず行うべきだったのは、法的措置の宣言ではなく、質問の意図と妥当性を説明することだった。配慮を欠いたと判断するなら、遺族への謝罪も必要だろう。

違法な中傷には厳正に対処すればよい。しかし、それを理由に正当な批判への回答まで避けてはならない。

今回問われているのは平和教育の是非ではない。重大事故の遺族に報道機関がどう向き合うのか、そして自らが批判されたときにも説明責任を果たせるのかという、ジャーナリズムの基本姿勢である。

このような質問を受けた遺族の心情は計り知れない

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