「国債は返さなくていい」という北村晴男さんの話は本当?

このツイートがきのうから話題になっているので、チャッピーに聞いてみた。

Q. 北村さんの「国債は返さなくてもいい」という話は本当ですか?

本当ではありません。国債を借り換えできることは事実ですが、借り替えても金利は払わないといけません。

2026年度の一般会計予算のうち、債務償還費18.2兆円は借り替えなので純負担ではありませんが、利払費13兆円は実際に発生する経費です。これは予算の1割だから、金利を10年払ったら、元本を返すのと同じです。

北村氏の主張は、彼がよく対談している会田卓司氏の議論を受け売りしたものとみられます。彼の批判は「単なる借り替えを債務償還費として計上するのはおかしい」というもので、これは一理あります。

債務償還費は、一般会計から国債整理基金特別会計の基金に繰り入れられます。この基金は繰入金と借換債の発行収入を使い、満期を迎えた国債の償還を行っています。(財務省)

この基金の発行する借換債は同年度の一般会計歳入に計上されるので、財務省はこれをダブルカウントしているわけです。

こんな会計制度は他の先進国にはありません。これ自体は正しい指摘ですが、会田氏は借り換えで金利が発生することにまったくふれないのです。

Q. 金利はどうなるんですか?

借り替えても、金利は払わないといけません。今は2010年代にゼロ金利で発行した国債が満期を迎えているので、まだ平均金利は0.8%ですが、10年物の新発債の金利は2.8%なので、借り換えで平均金利は増えるのです

財務省の後年度試算では、高成長ケースで金利3%の場合、2029年度に利払費は約20.7兆円まで増えると見込まれています。金利が5%になった場合は、2029年度の利払費は約28.3兆円と試算されています。(財務省)

Q. 高市首相も同じような話をしてますね?

高市首相が日銀の利上げを牽制しているのは、この金利上昇を警戒しているためと思われますが、この長期金利は政策金利を抑え込んでも下がりません。むしろ財政リスクプレミアムが上がって国債金利は上がります。

金利を知らない証券アナリストが首相のアドバイザーになって「国債は無限に借り替えればいい」というのは、かなり恐い話です。

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