
この記事では、政府の利子(純受取)についての国際比較をご紹介します。
1. 日本政府の利子(純受取)
日本の政府は国際的に見れば、支払利子が多くなく、受取利子が多い状況となっています。
差引で見た利子の純受取は相対的に見れば多い(あるいはマイナス額が少ない)事になりそうです。
今回は、具体的に政府の利子(純受取)がどの程度の水準なのか、統計データを確認してきましょう。

図1 財産所得 利子 一般政府
国民経済計算より
図1が日本政府の財産所得のうち、利子について受取(プラス側)、支払(マイナス側)、純受取(黒線)を示したグラフです。
日本政府の利子は、1990年代以降減少していますが、支払利子の方が減少しており、正味の純受取はマイナス額がやや縮小している状況になります。
2. 1人あたりの推移
ここからは、政府の利子(純受取)について、国際比較していきましょう。
まずは人口1人あたりの推移からです。

図2 利子(純受取) 1人あたり 一般政府
OECD Data Explorerより
図2が主要先進国政府の利子(純受取)について、人口1人あたりの為替レート換算値をグラフ化したものです。
日本はマイナス額が縮小するような変化となっていて、他国と比べれば少ないようです。
アメリカは拡大傾向が進み、政府の支払う利子が大きく超過している様子がわかります。
韓国は基本的にプラス側で推移しているのも特徴的ですね。
3. 1人あたりの国際比較
続いて、政府の利子(純受取)について、最新の数値で国際比較してみましょう。

図3 利子(純受取) 1人あたり 一般政府 2023年
OECD Data Explorerより
図3がOECD各国政府の利子(純受取)について、2023年の国際比較グラフです。
日本は-21ドルで、OECD34か国中7位の水準です。
ノルウェーは別格として、ルクセンブルク、デンマーク、韓国、フィンランド、スイスなど高所得国に次ぐ水準となっています。
ドイツも比較的マイナス水準が小さいようです。
逆に、カナダ、イギリス、イタリア、アメリカは先進国でもマイナス水準が大きく、下位を占めています。
これらの国では、受取る利子よりも、支払う利子が大きく超過している事になりますね。
4. 対GDP比の推移
続いて、政府の利子(純受取)について対GDP比での比較をしてみましょう。

図4 利子(純受取)対GDP比 一般政府
OECD Data Explorer
図4が主要先進国政府の利子(純受取)にて、対GDP比の推移です。
日本はマイナス水準が縮小傾向となっていますが、カナダやイタリアでも縮小している様子が確認できます。
アメリカも金額では拡大していますが、対GDP比では横ばい傾向です。
2024年ではアメリカでマイナス4%、イタリアでもマイナス3.8%と非常に大きな水準に達しています。
2023年の日本の水準がマイナス0.1%なので、40倍の違いがあるのは大きな相違点ですね。
それだけ受取-支払のバランスと、金利の影響が大きい事になりそうです。
5. 対GDP比の国際比較
最後に、各国政府の利子(純受取)対GDP比について国際比較してみましょう。

図5 利子(純受取)対GDP比 一般政府 2023年
OECD Data Explorerより
図5がOECD各国政府の利子(純受取)対GDP比について、国際比較したグラフです。
主要先進国は日本、ドイツ以外は軒並み低位となっていて、マイナス水準が大きな状況です。
それだけ政府の支払負担が大きい事を意味しますね。
一方で日本の場合はマイナス0.1%でほぼゼロです。
6. 政府の利子(純受取)の特徴
この記事では、政府の利子(純受取)についての国際比較をご紹介しました。
国際的に見れば、日本政府の利子はほぼ収支ゼロという事になります。
低金利で国債残高の割には支払金利が少ないという面と、他国の国債など金融資産を多く持っていて受取利子が多いという面が影響している事になりそうです。
他の主要先進国が軒並みマイナスなのに対して、日本政府の利子負担が軽いというのは大きな特徴ですね。
ただし、今後は金利が上昇していくとされていますので、受取に対して支払いが超過していく度合が拡大する可能性も高そうです。
今後、政府の利子負担がどのように推移していくのか、注視していきたいポイントですね。
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編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年8月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。








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