戦争ではいかに相手よりミスが少ないかが勝敗を分けるカギになります。
また途中で自分たちの問題に気が付き、それを速やかに改善できる方が勝利を得られます。
その意味では自衛隊は全く戦争に弱いということになります。
例えばイラクやアフガニスタンの戦争の時アメリカ軍は装甲ハンビーでは地雷やIEDに対して無力だということを学びましたそして南アフリカ製の耐地雷装甲車大量に導入し対応しました。導入の決定も戦争の途中で調達も極めてペースで行われました。
また同時にこのような被害に対する衛生の治療方法なども格段に進歩しました。こういう素早い決定がアメリカ軍の強さの一つだと思います。
対して自衛隊はどうでしょうか。
東日本大震災は自衛隊が最大規模の出動を行ったいわば「実戦」だったと言えると思います。多くの自衛隊に対する讃賞の陰で、問題点も多数見つかりました。

東日本大震災における災害派遣活動 Wikipediaより
陸上自衛隊の無線機は当時通じないことが非常に多かったわけです。それは何世代もの無線機が混合していたこともありますが、最大の理由は軍用無線に合ってない周波数帯を使っていたからです。
同様に陸自の無人ヘリ2種類も全く飛びませんでした。その理由は信頼性が低く飛行すると二次災害を起こす可能性が大きかったからです。この原因の1つが、やはり無人機に適した周波数帯を使っていなかったということがあります。
この件は国会でも質問されて防衛省も認めました。ちなみに、その野党の質問は僕が原案を作りました。
それでもその時防衛省の徳地防衛政策局長は配備されて1年足らずで感じが足りないと言い訳をしていますが、これが後の2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震、2024年の能登半島地震、2014年の御嶽山噴火などでも使用されませんでした。
国会での説明は嘘だった、ということが証明されています。防衛省は国会と納税者を騙したと言うことになります。
ところが震災の後、防衛省はこういう実践で得られた教訓を無視しました。周波数帯の問題は見直されることがなく、開発中だった広域多目的無線機がそのまま採用されました。その結果全く通じないと言う苦情が舞台から相次ぎ、会計検査院も問題を指摘しました。その後あれこれ改修はされていますが、根本的な解決には至っていません。それは周波数帯の問題を無視しているからです。
そして使い物にならなかったヘリ型無人機2種もその後も部隊が維持され、新たなスキャンイーグル2は採用されるまで震災後9年かかりました。しかも周波数帯の問題で、金をかけてスペックダウンしたものを採用しました。
防衛省はスペックダウンした事実はないと言いますが、これは嘘です。メーカーも運用担当者もスペックダウンしたことを認めています。防衛省は平気で納税者を騙すということです。何かあっても疑われても仕方ないでしょう。
このため、スキャンイーグル2は遠距離での操縦に難が出て墜落しやすくなっています。そして、周波数帯が極めて狭いので、ホッピングをすることができずに、敵の電波妨害に対してはほぼ無力です。
大金をかけて民間と同じような、それ以下の無人機を採用したわけです。ところが防衛省は現在の周波数帯で問題がないが、見直していると言う玉虫色の公式発言を繰り返しています。そしてSHIELD構想なる無人アセットの調達計画を進めています。
給食能力の低さも問題です。基本的に陸自の野外炊具は、中隊規模の部隊に給食するためのものです。大規模な給食には向きません。しかも演習では十分な人では配備されておらず、戦闘部隊から引き抜いて食事を作っています。
また露天なので、雨や風が強いと作業が大変困難になります。対して、先進国はもともりトルコなど途上国ですらコンテナ方式のキッチンを採用しています。これはキッチン、冷蔵庫、食堂などもモジュール化したコンテナに収納しているシステムです。より大規模な給食が天候に関係なくできます。
つまり、「実戦」の「戦訓」を全く活かせないのが防衛省であり、自衛隊であるわけです。その目的は保身と事なかれ主義です。戦争に勝とうとか全く思っていませんし、戦争自体を全く想定していないボーイスカウト以下の組織ということになります。賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶといいますが、防衛省と自衛隊は愚者以下ということになります。
こういう組織に従来の2倍の軍事費を使うことは大変問題だと思います。
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編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2026年8月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。









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