秋田県の幹部職員が、バスローブのような服装でたばこを吸いながらオンラインで報道対応したとして炎上している。県は翌7日、「県職員としてあってはならない」と謝罪した。
問題となったのは、県産業労働部の小野貴宏企業誘致推進監。8月6日、秋田市で計画されているAIデータセンターについて急きょ開かれた記者向け説明にオンラインで参加した。当初はカメラをオフにしていたが、職員から映像を出すよう求められ、バスローブのような服装で登場。途中でたばこを吸う姿も映った。
たしかに、記者対応中にたばこを吸うのは褒められたものではない。
しかし、事情を知ると少し印象が変わってくる。
そもそも、この日は休暇中だった
県によると、小野氏は前日の5日に東京で公務があり、6日は疲れなどから午後に休暇を取得して自宅で休んでいた。体調も悪かったという。そこにAIデータセンターをめぐる報道対応が急きょ入り、オンラインで参加することになった。
つまり「勤務時間中にバスローブで遊んでいた公務員」ではない。
休んでいた幹部が、急に仕事に呼び戻されたのである。
しかも小野氏が担当しているのは、そこらの小さな誘致案件ではない。秋田市に計画されているAIデータセンターは整備費2兆円規模、日本最大級になる見通しで、UAEからの投資も協議されている巨大プロジェクトだ。
SNSでは、小野氏について過去に仕事で関わったという人物から、「いろいろな仕事を任され、夜中にメールが返ってくるほど働いている苦労人」「彼は仕事ができる人物」と擁護する声も出ている。
これが勤務実態を証明するものではないが、少なくとも今回の一件を「だらしない公務員の不祥事」とだけ見るのは早計だろう。
バスローブより気になる「休暇中の仕事」
ネット上では映像の背景から「自宅ではなくホテルだったのではないか」という憶測まで飛び交っている。実際にSNSにはそうした投稿もある。
しかし、県の公式説明は「自宅で休んでいた」であり、ホテルにいたことを裏付ける事実は確認されていない。
仮にホテルだったとしても、公務出張から戻る途中など合理的な事情はいくらでも考えられる。映像だけから私生活について想像を膨らませるのは本筋ではない。
むしろ問題なのは、体調不良で休暇を取っているはずの職員に、なぜ報道対応をさせたのかということだ。
「オンライン会議があるから、休んでいても家から出られるでしょう」という発想なら、それこそ時代錯誤ではないか。
県は小野氏に「県職員としての自覚を持ち、行動するように」と指導したという。
だが、2兆円規模のプロジェクトを担当する幹部が休暇中まで呼び出される体制だったのなら、県庁側にも一言必要だろう。
「使用者としての自覚を持って、職員を休ませてください」と。
バスローブとたばこは画面映えするのでニュースになる。小野氏もわきが甘すぎたことは間違いない。しかし、本当に仕事のできる人材なら、秋田県がやるべきことは炎上した職員を叱ることだけではない。
2兆円の投資を担当している人材を、しっかりと休ませることである。







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