ソフトバンクG、100億ドル借金してOpenAI株を買い増す10兆円のギャンブル

ソフトバンクグループ(SBG)が保有するOpenAI株を担保に100億ドルを借り入れることが明らかになった。調達した資金はOpenAIへの追加投資などに充てられる。つまり、OpenAI株を担保に借金してさらにOpenAI株を買う大胆な賭けである。

WSJによると、SBGはゴールドマン・サックス、JPモルガン、みずほなどの金融機関から100億ドルを調達する。担保になるのは、上場株ではなく非上場企業であるOpenAIの株式だ。

OpenAIへの投資額は累計646億ドル

SBGは今年2月、OpenAIに新たに300億ドルを追加投資すると発表した。4月に100億ドル、7月に100億ドルを払い込み、残る100億ドルを10月に投資する予定だ。すべて完了すると、OpenAIへの累計投資額は646億ドル(約10兆円)に達し、持ち分は約13%になる見込みだ。

今回の100億ドル融資は、実質的にはこの10月の追加投資を支える資金調達の一環とみられる。SBG自身も7月に公表した年次報告書で、300億ドルの追加投資のうち200億ドルをすでに払い込み、残り100億ドルを10月に支払う予定だとしている。また、OpenAI株について「将来の資金調達余力を提供し得る」と明記していた。

「OpenAIで借りてOpenAIを買う」

問題は、その構造である。通常の株式担保融資なら、トヨタ株を担保に借金して別の事業に投資するといった分散が考えられる。しかし今回SBGは、OpenAI株を担保に資金を調達し、その資金をさらにOpenAIへの投資に回す。

OpenAIの企業価値が上昇すれば、担保価値もSBGの純資産価値(NAV)も増え、さらに資金調達余力が生まれる。一方でOpenAIの評価額が大きく下落すれば、投資資産と担保価値が同時に低下する。まさにレバレッジをかけた一本足打法である。

金融機関は当初、この融資に慎重だった。非上場企業であるOpenAI株の価格評価が難しいためで、6月には融資交渉が一度停滞した。その後SBGが返済保証を加えるなど条件を譲歩し、交渉が再開されたと報じられていた。

今回の融資は2年物のマージンローン(証券担保融資)。4月の段階では100億ドルを「SOFR+4.25%」程度で借りる案が報じられており、当時の金利水準では年7.88%と通常の3倍以上だった。通常のマージンローン金利は2.5%である。

孫正義氏の「AI一本足打法」はさらに加速

SBGはOpenAIだけでなく、データセンター、半導体、ロボットなどAI関連分野への投資を急拡大している。その資金を確保するため、NvidiaやT-Mobile USなどの保有株も売却してきた。

2026年4~6月期のSBGの純利益は3473億円と前年同期比18%減だった。それでも孫正義会長兼社長はAI投資のアクセルを緩める気配を見せていない。

OpenAIが次世代の巨大プラットフォームになれば、646億ドルという投資は歴史的な成功になる可能性がある。しかし、OpenAI株を買い、そのOpenAI株を担保に借金し、さらにOpenAI株を買う――ソフトバンクGの企業価値は、かつてないほどOpenAIの将来に賭けられつつある。

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