8月が観光客にとってオンシーズンではなくなる日

内藤 忍

8月は夏本番のホリデーシーズンであり多くの人が帰省や旅行に出かけたものでした。私も子供の頃は8月の夏休みにあちこちに出かけたものです。

しかし最近の日本の夏は気候変動による気温の上昇で「危険な季節」になっています。猛暑日や酷暑日が気象庁から発表され、外に出かけることよりも涼しい室内にいて命を守る行動が優先される時代になりました。

東京や京都のような都市部の人気の観光地では、湿度が高く蒸し暑い日が続きます。強い日差しとアスファルトからの照り返しで、もはや日中の観光は命懸けです。

こうした日本の夏の異常な暑さは、海外の旅行者の間でも急速に知れ渡るようになりました。「8月の日本には行かないほうがいい」という評判がSNSや旅行コミュニティを通じて広まり始めているようです。

私は投資家コミュニティーのメンバーと一緒に外国人宿泊比率の高い民泊施設を香川県三豊市で運営していますが(写真)、8月の外国人の予約は予想したほど集中しないようになりました。

かつてのように海外から観光客が大挙するような爆発的な人気はなくなり、酷暑を避けるために夏場の訪日を控える選択が旅慣れたトラベラーの共通認識になりつつあるようです。

8月はこれまで旅行業界のオンシーズンでした。しかし、この気候変化によって今後は8月が酷暑で需要が減ってしまうオフシーズンへと変わっていく可能性があります。

これまで人気だった紅葉や桜の見られる秋や春だけではなく暖冬で比較的過ごしやすくなった冬の方が観光客で賑わうようになるかもしれません。

8月は無理をしてあちこち出歩かず涼しい室内で過ごす期間という認識が広がれば、観光業界や飲食業界にとって真夏は書き入れ時ではなく休業して英気を養う季節に変わっていくでしょう。

子供がいるファミリー世帯の親にとっては夏休みしか家族全員のまとまった休みが取れず、8月の暑さの中での外出は大変ですが、外国人観光客の減少はせめてもの救いでしょう。

show999/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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