政府は株式投資で儲かってる? 企業の分配所得 国際比較

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この記事では、政府の財産所得のうち企業の分配所得について国際比較した結果をご紹介します。

1. 日本政府による企業の分配所得

日本の政府は負債残高(特に国債)が多い事が知られていますが、実は金融資産も多く保有しています。

外国などの国債(債務証券)も多く持っていますが、企業の株式保有も多い状況です。

政府による株式投資では、年金積立金管理運用独立行政法(GPIF:Government Pension Investment Fund)が知られていますね。

GPIFは厚生年金・国民年金の積立金の管理・運用をしていて、国内外の株式、国債などに投資する世界最大の機関投資家として知られています。

国民経済計算(SNA)において、GPIFは一般政府に区分されます。

GPIFも含め、政府による企業への株式投資によって受け取る配当金などの収益は、財産所得のうち企業の分配所得として集計されます。

図1 財産所得 日本 一般政府
国民経済計算より

日本政府の財産所得を見てみると、1990年代に比べて利子の受取と支払が減少していて、法人企業の分配所得が拡大しています。

近年では法人企業の分配所得が2.6兆円と、受取利子の6.2兆円の4割ほどを占めるまで拡大しています。

政府による株式投資は既に大きな収益源になっているようです。

2. 1人あたりの推移

ここからは、政府による企業の分配所得について国際比較していきましょう。

まずは人口1人あたりのドル換算値からです。

図2 企業の分配所得 1人あたり 一般政府
OECD Data Explorerより

図2が主要先進国政府による企業の分配所得について、人口1人あたりの為替レート換算値を計算してグラフです。

日本はドル換算値でも徐々に拡大傾向が続いていて、近年ではフランスやドイツを上回ります。

アメリカやイギリス、カナダは乱高下していて傾向が掴みにくいですが、2010年代以降は大きく水準が低下しているようです。

3. 1人あたりの国際比較

続いて、政府による企業の分配所得について、最新値の国際比較を見てみましょう。

図3 企業の分配所得 一般政府 1人あたり 2023年
OECD Data Explorerより

図3がOECD各国政府による企業の分配所得について、人口1人あたりの国際比較です。

ノルウェーが桁違いの高水準ですが、これは政府が北海油田の収益を運用しているためのようです。

それ以外ではルクセンブルクやスウェーデン、スイスなど高所得国が並び、日本もOEC34か国中10位と上位に入ります。

日本政府の投資収益はドイツやフランス、イギリスよりも多い事になります。

一方で、アメリカは2022年に急落し、OECDの中でも最下位クラスとなっています。

4. 対GDP比の推移

続いて、対GDP比についても国際比較していきましょう。

図4 企業の分配所得 対GDP比 一般政府
OECD Data Explorerより

図4が主要先進国政府による企業の分配所得について、対GDP比の推移を表したグラフです。

日本と韓国は着実に拡大している様子がわかりますね。

近年では共に0.5%と他の主要先進国よりも大きな水準に達しています。

他の主要先進国ではイギリス、アメリカ、カナダ、イタリアが近年急落しています。

フランスは1990年代の高い水準から見ると、徐々に低下していて、ドイツは低めの水準が継続しています。

5. 対GDP比の国際比較

最後に、対GDP比の国際比較です。

図5 企業の分配所得 対GDP比 一般政府 2023年
OECD Data Explorerより

図5がOECD各国政府による企業の分配所得について、対GDP比の国際比較です。

日本は0.5%でOECD34か国中11番目と比較的高い水準です。

他の主要先進国ではOECDの中では低位となっているようです。

上位国にはノルウェーや北欧諸国、ルクセンブルクの他に、コロンビアやラトビア、ハンガリーなどが入っています。

企業による株式投資は日本でばかり活発なわけではなく、多くの先進国で行われているようですね。

6. 政府による企業の分配所得の特徴

この記事では、政府の財産所得のうち、企業の分配所得についてご紹介しました。

日本政府は、国内外企業への株式投資(証券投資)が多く、その投資収益も高い水準に達しているようです。

受取利子が減った一方で、株式投資収益が拡大し、今では政府の大きな収入源の1つとなっているようです。

近年では特に日本企業の株価と共に、配当金が拡大しているため配当金などの収益が拡大していると見られますね。

政府による海外企業への証券投資(対外証券投資)も拡大しています。

図6 日本 金融資産 対外直接投資・対外証券投資
日本銀行 資金循環統計

日本の対外資産を見ると、多い順に金融機関の対外証券投資、政府の対外証券投資、企業の対外直接投資となっています。

日本が海外に持つ金融資産の中で、政府の持つ分も相当な割合に達している事になりますね。

今後金利が上がり、国債の支払利子が拡大していく中、企業の分配所得でどれだけ補えるかと言った議論もあるようです。

莫大な年金の運用資金をどれだけ収益化できるか、資金の運用主体としての政府の役割も大きくなっているようです。

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編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。

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