紀子さまの帽子がおかしいとか、カーテシーが腰を下げすぎでおかしいとか、プロトコールについての知識のない輩が言いつのっているが、まったくいい加減な話だ。

紀子さま ノルウェー王室のHPより
帽子に「正解」はあるのか
紀子さまの丸い帽子に分厚く短い円周型のツバが付いた帽子を不細工で恥をかくと言いつのっていた人たちがいるが、ノルウェー国王葬儀のレセプションでの帽子は本当に多様なので、これが正しいというものはない。批判はまったく当てはまらない。
美智子さまのあの小さい皿形のものは、1960年代に流行ったモダンな型を、国民と近い距離で交流するのに便利だというので、独自に発展させてトレードマークにした。同年配のアン王女の羽根付き帽と共通する発想だ。
帽子はそもそも昔ほどには被らなくなっているのだが、新型コロナ以来、大きく幅広のものが流行とかいうなかで、紀子さまのものは、伝統を重視しつつ国民と近接した交流を好む美智子さまから受け継いだ方針を反映しているもので、何も浮いてなどいない。
喪服のブローチはプロトコール違反なのか
国王の葬列で紀子さまが蝶々型のブローチをつけていたのはプロトコール違反と、例によってSNS上の愛子さまファンの面々が騒いでいる。しかし、ハーラル5世国葬では、アン王女もリボン(ボウ)型のブローチを喪服に着けている。しかもダイヤ入りの「Gold Ribbon Brooch」だ。
追悼の場にふさわしい控えめなジュエリーで、「リボン=祝い事だから葬儀では絶対NG」という、プロトコールの知識がない人の知ったかぶりの指摘は、欧州王室のプロトコールをまったく知らない下品なものである。
欧州の上流階級で喪服にブローチを着けることは普通で、エリザベス2世も母后の葬儀でダイヤのボウ・ブローチを着用していた。王室女性の服喪時には、真珠やダイヤなど無色系の宝石が伝統的だ。
今回の写真でも紀子さまの胸元にあるものは、いわゆる華やかな「プレゼント包装の蝶結び」のような意味でのリボンではなく、黒い服と一体化した、あるいは黒系のリボン/ボウをモチーフにした装飾だ。葬儀服として問題になるのは、「派手な色彩」「過度な光沢」「華美な装飾」などであって、形が蝶結びであることがなぜ問題になるのか分からない。
深いカーテシーは間違いなのか
紀子さまのカーテシー(女性が礼儀や敬意を表すために片膝を少し曲げて体をかがめる挨拶)を攻撃してやろうと待ち構え、「やっぱり」と盛り上がっている。
しかし、これも勘違いも甚だしい。彼らは紀子さまが深く身体を沈めすぎで屈伸運動みたいになっているというのだが、深く沈めるのは、一つには伝統的なやり方で、最近は少しだけしか沈めない傾向があるが、伝統的な作法をしたからまずいわけではない。
また、日本では着物を着たときには、深めの方が楽なので深めが多いということがある。それから、日本人は背筋を伸ばすのが苦手というのもある。愛子さまも雅子さまも同じようなもので、とくに紀子さまが目立っているわけではない。
アスコット競馬には王族などが皆集まるのだが、そのときの写真を見ると、帽子と同様に深い人も浅い人もいる。
王族のカーテシーも実際にはさまざま
美しいカーテシーと評判になったのは、サルコジが大統領として英国訪問をしたときの夫人、カーラ・ブルーニの作法で、まさに完璧で美しかった(動画)。王族ではアン王女がさすがという感じだ。しかし、アスコット競馬の写真を見ても本当にさまざまだ。
ちなみに日本の皇族では高円宮妃殿下はさすが帰国子女だし、佳子さまの所作も軽快で現代的だ。ちなみに、久子さまの母方の祖父は、外交官で宮内庁式部官の友田二郎で、『国際儀礼とエチケット』(新装普及版が学生社から出ていた)は、日本におけるプロトコールのバイブルで、私も何かというと参考にしているほどなので素晴らしい。
帽子については、前に使ったノルウェー王室のHPに、下記のオムニバスで1枚になった写真がある。

アスコット競馬はGoogleで以下のようなものあり。
私が自分でオムニバスにしたカーラ・ブルーの動画は以下。
なお、秋篠宮家の発端となった小室圭さんと眞子さまの事件などから始まる経緯について、新刊『誤解だらけの皇位継承の真実(増補改定版)』(清談社)で詳しく解説している。
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